「1つやるということは全部膨らむということ」世界的着物デザイナーの紫藤尚世氏が三条市役所を表敬訪問
着物デザイナーの紫藤尚世(しとうひさよ)氏は7日、自身のブランド「AAAPARE」(アーパレー)において、新潟県三条市内の工場で排出されたスクラップ(生産副産物)を活用した着物の装飾を制作することを受け、紫藤氏本人が三条市の滝沢亮市長を表敬訪問した。なお、ブランド名の「AAAPARE」の語源は、日本語の「天晴れ!(あっぱれ)から来ているという。
紫藤 尚世氏は、SDGs の目標の「つくる責任 つかう責任」をコンセプトに、世界共通のテーマ「脱炭素社会」に向けたメッセージを作品に込めるため、自身のブランド「AAAPARE」において、三条市の工場で排出されたスクラップ(生産副産物)を活用した着物の装飾やアクセサリーを制作し、ブランドアイテムとして世界に発信する。
紫藤氏は独自の「布合わせ、色合わせ、柄合わせ」によって、「逆転の発想」を生み出し、まったく異次元の着物創りを完成させた。「和装界」では他に例のない着物デザイナーの第一人者である。和文化をはじめとする着物を一般に広めることが目的の「あなたが主役のファッションショー」は、今年で24回目を迎えるが、昨年に続き今年も文化庁の助成を受け、日本の芸術文化にも大きく貢献している。
三条市役所内にある市長室に通された紫藤氏は滝沢市長と対面すると、「私がデザインしたネクタイです。写真を拝見して、似合うかなと思いまして」と滝沢市長に持参したネクタイが入った袋を手渡した。
紫藤氏は、「私はもう75歳。元気なうちに日本の国のために少しでもなりたいと思う。世界のファッションにしたい。着物を世界のファッションにするには、着付けをしなければいけないので着付けができないと広がらない。だから私は、着物の形で洋服のように着れるものだったら広がると思った」と自身のデザインする服のコンセプトについて語った。
滝沢市長は紫藤氏の話に聞き入り「かっこいいですね」と呟きながら何度も頷いていた。
表敬訪問後、紫藤氏は取材に応え、「(三条市を周ることで)究極のトータルコーディネートを目指して作っているので、統一感を持たせた作品ができたらいいなと思う」と話した。
続けて、「基本的には、1つやるということは全部膨らむということ。重みのある感じのアクセサリーをあわせたようなものを作るとかをやらせてもらえたら、これに合ったものを作ろうとか、色んな事が浮かんでくる」と語った。
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