【村上新聞】風情ある景観を次世代へ〜山上染物店がクラウドファンディング
支援した人が心寄せられるような眺めに
村上市肴町の山上染物店はこのほど、隣家解体によって露出した壁面を修復しようと、クラウドファンディングを行なっている。城下町の四辻に建てられた風情豊かな町屋造りの同店。築170年を数える母家は国の登録有形文化財に指定されている。
壁を共有する構造から、隣家解体によって西側の壁面が露出。竹と土と職人の技で造られた“荒壁”が剥き出しとなってしまった。放置すれば崩れる危険もあることから修復を決意したのは、14代目・山上あづささん。文化財のため簡素な修繕は相応しくないが、国からの助成制度はなし。自己資金と市補助制度のみでは必要とさせれる費用に届かないため、支援を願い出た。
「東側の壁と同じ“下見板張り”で景観を維持したい。材料は地元の『いわふね杉』。伝統工法で村上らしい町並みを次世代に渡したい」と山上さん。「支援に関わってくださった方が通り掛かった時など『ここは自分が…』と気持ちを寄せていただければ」と呼び掛けていた。
同店に直接支援金を持参する「代理支援」(手数料220円)での参画可能。問い合わせは、TEL0254(52)3570へ。
村上新聞2022年12月10日号