(株)北信越地域資源研究所(新潟県上越市)がZoomで地方移住に関するwebフォーラムを開催
新潟県上越市の上越妙高駅西口にあるコンテナ型商業施設フルサットを運営する株式会社北信越地域資源研究所(新潟県上越市)は21日、Zoomを活用して地方移住をテーマにしたオンライン形式のwebフォーラムを開催した。
フォーラムの名称は「Multiple Locations/多拠点という選択~アフターコロナにおける生き方の見つけ方~」。オンラインで30人が参加し、青森大学の櫛引素夫教授、 ふるさと回帰支援センターの嵩和雄副事務局長、 城西国際大学の金子祐介助教、上越市移住定住コンシェルジュの柳原志保さんが講師となり、それぞれの分野で事例を発表した。
青森大学の櫛引教授は「人口2,500人、高齢化率55%の青森県今別町に関東出身の若者が移住・起業し、結婚した人がいる。新幹線開業の影響だ」と話した。
ふるさと回帰支援センターの嵩副事務局長は、「転職を伴わない移住が出てきた。引っ越しに近い感じのリモートワーク移住だ。最近は起業においても、カフェやゲストハウスなど昔と比べるとゆるい。一方で、経営者の高齢化や担い手不足による後継者として引き継ぐリノベーション起業(継業)も注目されている」と説明。
城西国際大学の金子助教はデザイン教育の現場について発表し、「学生はやりがいのある仕事を求めているが、地方移住には不安もある。観光地のデザインは、誘客や情報を伝えるデザインなどが必要だ。今後は街全体をデザインしていくことも考えていかなければならない」と発表した。
上越市出身の上越市移住定住コンシェルジュの柳原さんは「五感で上越市を感じてもらいたい。人の好さを知ってもらいたい。相談件数は今年度2月末時点で62件で、最近の相談は本気度が高いと感じる」と話した。
また、上越市の担当者が移住者への家賃支援や住宅取得に関する補助金、オフィス賃貸料のサポートを新年度から開始することを報告した。
第2部の講師たちの座談会では、「上越市の知名度がない」「上越新幹線との間違いが多い」という意見が出され、「上越妙高村を作った方がいい」という提案も出された。
主催した北信越地域資源研究所の平原匡代表取締役は「きっかけづくりのフォーラムだったが、良いキックオフだったと思う。継続して行いたい。コロナ禍で価値観の変化が起きたが、ローカルがやるべきことを考えていきたい」と話していた。