【独自】県立海洋高校(新潟県糸魚川市)が全国研究発表大会においてキャビア生産に関する研究で全国1位の最優秀賞を受賞する快挙
新潟県立海洋高校(新潟県糸魚川市)が16日に秋田県で開かれた全国水産・海洋高等学校生と研究発表大会で、「地域特産品化を目指したキャビア生産に関する研究~DNA分析による雌雄判別法の開発~」というテーマで発表し、全国1位の最優秀賞を受賞した。
日本大学と協力し、全国の高校で初めて、DNA分析による雌雄判別法を開発することに成功したことについて、同校水産資源科3年の渡邉海生さん、北原舞香さん、五十嵐英恵さんが発表した。
従来の判別法である切開法では、成熟する3年目までは判別を行えず、開腹手術の失敗により魚が死亡する危険があることに加え、雌雄の鑑定には熟練が要求される。鑑定後、縫合をする際の縫合針は非常に鋭利で、縫合をするには危険性が伴い、実習で行うには不向きであった。そこで、チョウザメのDNAを確認することで、メスかオスか判別する方法を考案。これまでの従来の切開法に代わり、安全性、正確性、効率性を兼ね備えた方法を模索するため、DNA分析機器を導入し、PCR法による高精度な雌雄判定法を開発することを目的とした。
今年10月に校内選考、11月11日には日本海北部地区、12月16日は全国大会だったので、10月から放課後に練習を重ねてきた。各大会の発表後、改善点があればその都度修正し、全国大会で最優秀賞を目指し、生徒は日々努力してきたという。全国大会は各ブロック大会を1位通過した学校が集結し、計11校の水産高校で発表大会を行なった。
同校は北陸唯一の単科の水産・海洋高校で、在校生の約4割が遠隔地から入学している。2018年に創立120周年を迎えた伝統ある高校で、新造船「二代目海洋丸」も竣工し、2021度からは文部科学省の「マイスター・ハイスクール事業」の採択を受け、学校と産業界、地元自治体が一体となって事業や研究に取り組んでいる。
(文・梅川康輝)