絵本の読み聞かせでクリスマス気分 新潟県長岡市の図書館で絵本の読み聞かせイベント開催
市街地が本格的な降雪に見舞われた18日、新潟県にある長岡市立互尊文庫(新潟県長岡市)では、市内在住の親子向けに、「おはなしきかせて クリスマススペシャル」が行われていた。これは、多くの市民に図書館に足を運んでもらい、本の利用につなげてもらおうと、毎年この時期に同館が企画している催しである。同館では毎月土曜日と日曜日にそれぞれ絵本の読み聞かせを行っているが、この時期は、クリスマスにちなむ絵本の読み聞かせを行う。今年は、大人9人、子ども10人の計19人が参加した。
最初に、同館司書の品田奈々絵さんによる、シゲタサヤカ氏の手による絵本『クリコ』の読み聞かせから始まった。参加者は、クリスマスケーキから聞こえてくる不思議な声の主「クリコ」や、クリコが巻き起こす不思議な出来事の様子などに興味深げに耳を傾けていた。絵本の読み聞かせの後はブラックパネルシアターである。真っ黒なパネルの画面上を、クリスマスソングに合わせてサンタクロースなどが動き回ると、参加者は音楽に合わせて手拍子をするなどして、楽しそうな様子だった。ブラックパネルシアターが終わると、「工作」の時間である。今回は、「くるくるまわるクリスマスツリー」を作った。少し難しそうなところは、大人たちに手伝ってもらいながら、子どもたちはシールなどで、世界に一つしかない自分だけのツリーの飾りつけを楽しんでいた。
突然、司書の一人が「何かが聞こえてきたよ」というと、どこからともなくシャンシャンシャンというベルの音とともに、サンタクロースが登場した。子どもたちは、突然現れたサンタクロースの姿に驚きつつも、サンタクロースが部屋の奥で、メモ帳などが入ったクリスマスプレゼントを用意すると、一人ずつうれしそうにプレゼントを受け取り、一緒に写真を撮るなどした。サンタクロースは、子どもたち全員が、プレゼントを受け取る様子を満足そうに見届けると、“See you next year!”と元気よく帰っていった。
催しを担当していた司書の一人、田中晴美さんは、「今日は雪がたくさん降って心配だったが、(参加者が)いっぱい来てくれてよかった」とひと安心だった。
「とても良い催しだった」と感想を述べたのは、Gary Lewisさん(44歳)である。Leonardさん(7歳)とGeorgeちゃん(1歳)の二人を連れてきた。イギリス出身で、長岡市には5年ほど住んでいるという。これから訪れる冬の長岡について、「雪は好きだけど、雪下ろしが嫌だ」と少しげんなりした様子で語った。
真っ白な長岡の雪の景色とともに、子どもたちの心には、素敵な冬の思い出が、またひとつしっかりと刻まれていた。
新潟県長岡市内では同日、中之島文化センターで「おはなしひろばクリスマススペシャル」、南地域図書館で「えほんのとびら~大島妙子さんの絵本~」がそれぞれ行われ、各図書館は多くの親子連れで賑わった。
(文・撮影 湯本泰隆)