19日に新潟県を襲った大雪、なぜ豪雪地帯の妙高や湯沢では少雪に?
新潟県内では18日から降雪がつづき、現在も各地で深刻な状況がつづいている。累積降雪量(11月1日から12月19日)を見ると、長岡は109センチで平年比295%、柏崎では92センチで平年比575%、例年あまり雪の積もらない新潟市中央区でも70センチで、平年比では636%にも達する。
新潟地方気象台によると今回、この時期としては強い日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が長岡から柏崎の地域に留まりつづけたことが同地域の大雪につながったという。また、日本海側では風が弱いと沿岸部・平野部で雪が降りやすくなる傾向がある(新潟地方気象台「新潟県の気象の特徴」を参照)。19日も風が比較的弱く、これが新潟市の大雪につながった。
「よく報道などでいわゆる『強い冬型』と言われる時があるが、そうした場合は逆に沿岸部の新潟市内は降らないことが多い。さまざまな要因はあるが、北西の風が強い時は、風が佐渡島を通ることもあって新潟では雪が降りづらくなる」(新潟地方気象台担当者)
一方で、上越や妙高、湯沢や津南など、例年であれば豪雪に見舞われる地域の降雪は比較的穏やかになるという奇妙な天気でもあった。累積降雪量を見ても、平年比を大きく下回っている地域が多い。20日現在も、上越や妙高では積雪は少ないようだ。
長岡や柏崎に留まっていたJPCZだが、その南側では西寄りの風が吹く。今回はその風が「富山県の高い山々にブロックされる形で、普段は雪が降る湯沢などの地域に雪雲が入りづらくなっていた」(同)ため、こうした珍しい事態になったのだという。
なお、こうした雪の降りやすい場所はその時の気圧配置や大気の流れで変化するため、今冬いっぱいこの傾向がつづくとは限らない。今週末にもまた大雪が予想されているが、現状ではまだどの地域で大雪となるか予測は難しいという。平野部でも山間部でも、今のうちに警戒と対策を怠らないようにしたい。
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新潟地方気象台 webサイト
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