新潟国際情報大学(新潟市西区)の図書館に漫画コーナー「No.9」が新設
新潟国際情報大学(新潟市西区)情報センター棟1階の図書館に24日、漫画コーナー「No.9」が新設された。「No.9」には海外の漫画や外国語翻訳された漫画などを含めた約4,000冊が配架され、同学の生徒・教員のほか、新型コロナウイルスの収束後には一般開放も行う予定である。
近年、漫画やアニメなどのクリエイターを育成する学術機関が増加する一方で、異文化理解や社会学、メディア論などの分野からこうした“サブカルチャー”へとアプローチすることも盛んになっている。国際情報大学でも、漫画などの背景となる文化や風土を卒業研究に選ぶ学生が増加してきていることを受け、個別に専用のコーナーを設置することを決定したという。
漫画コーナー設置は2019年に決定し、その後1年をかけ、学生と教員たちへのアンケートなどを通して蔵書を検討してきた。本来は2020年の夏季休講期間に合わせて設置する予定だったものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け春季休講期間までずれ込んだ。
コーナーの収納冊数は約1万冊で、現在は約4,000冊が配架。様々なジャンルの漫画が本棚を彩るが、中でも英語・中国語・韓国語・フランス語などへ翻訳された書籍や、海外の作家による漫画など国際色豊かなラインナップが特徴。オープニングイベントに立った澤口晋一図書情報センター長は「(学生たちには)漫画を通して国際理解や語学を学ぶ機会を得てほしい」と話す。なお「No.9」という名称は、フランス語圏で発達した漫画「バンド・デシネ」を、「建築」や「彫刻」「絵画」などの芸術に次ぐ「第9の芸術」としてフランス・ルーブル美術館が位置付けたことに因んでいる。
「No.9」の書架は新潟の頭文字“n”をモチーフとした形状となっているほか、作品をライトアップする仕様の段も備え、既存の書架とは異なる趣が漂う。さらに今回の新設を記念して、同学出身で漫画家の吉田覚氏よりイラストが寄贈された。
オープニングイベントに参加した国際学部の学生は「中国語を中心として外国語に興味があり、こうして大学が海外の漫画を用意してくれるのはありがたい。今後蔵書は増えるそうなので、もっと海外の書籍が増えてくれたらと思っている」とコメント。未翻訳の書物は、日本国内では購入も情報の入手も容易ではない。今回の新設により、文化の結晶としての漫画へより一層研究の関心が高まることが期待される。