県より注意喚起「感染拡大の第4波に直面」
新潟県は26日、新型コロナウイルス感染症に係る県内の感染状況について会見を開き、現在、今年1月の第3波に迫る勢いで感染拡大が進んでおり、第4波に直面しているものとして強く注意を呼びかけた。
「感染拡大の第4波に直面している」
週間ごとの計測によるこれまでの感染拡大のピークは、1月6日から12日に118名の新規感染者が生じた週で、県ではこの週を「感染の第3波」として認識している。この時期には年末年始の移動があったこともあり、県外由来の感染が約1割あったという。
この状況に危機感を強めた県は1月13日、感染が拡大していた県央地域を中心にカラオケや飲み会の自粛を依頼したほか、(感染者が相次いだ)スキー場を閉鎖し、期間アルバイトによる県外からのウイルス持ち込み阻止のためPCR検査の徹底する協力を呼びかけた。
同時期に1都4県で緊急事態宣言が発出されたこともあり、県内における感染拡大の抑え込みに成功。1か月間で約4分の1にまで新規感染者を減少させた。
だが、3月に入り新規感染が再び増加。週を追うごとに3割近い増加を繰り返し、直近の3月17日から23日の1週間では111名の新規感染が計測されている。県では「感染症の典型的な拡大パターン」であると捉え、第4波に直面したものとして県民への具体的な注意事項、感染拡大防止への理解と協力を呼びかけた。
また、県内の感染状況に基づいて発令される注意報や警報の発令基準に当てはめてみると、新規感染者数は直近の2週間で警報に該当。医療体制のひっ迫状況を示す入院病床利用者数も警報に該当しており、相当に深刻な状況にある。
「感染は身近に迫っている」
疫学的なつながりが推測される感染者を一連のまとまり(感染のかたまり)として考える手法があり、広い範囲での感染拡大状況を理解する一助となる。
県の発表によると、第3波のあった1月第2週には118名の感染に対し、37のかたまりがあった。また、この週における県外由来の感染者は12名であった。
新潟県では年末年始に相当する12月23日から1月19日までの間に、毎週2桁台の県外由来感染者がみられ、この時期には対外的な警戒を強めていた。感染のかたまりは前述の感染拡大防止策によって1月第3週には約4割減。その後も減少を続け、2月第3週にはわずか4のかたまりにまで抑え込んでいる。だが、その後は2週ごとに倍増のペースで増加し、今週には24のかたまりを計測するまでに悪化している。
ここで重要となるのが県外由来の新規感染者数である。第3波の抑え込みに成功した1月第3週以降、新潟県における県外由来の新規感染者数は1週平均で1.22.人。この数値は、外部からの持ち込みによる感染が低下する一方で、県内で持続的に感染が拡がっている状況を表している。
県は「少し前は飲食店などで拡大していたが、現在は職場、家庭などに持ち込まれてしまっている状況とみている。感染はより身近に迫っているものとして認識していただきたい」と強く訴えた。
「受診、相談をためらわないで」
今後の感染拡大の防止策として、まず「マスクの着用」の徹底が重要である。県担当者は市民へのアンケート等に基づいた調査結果を受け、「例えば職場内などでマスクをしないことに関し、注意を呼びかけづらい空気があるかも知れない。しかし、マスクの有効性を理解していただくことが大切」とあらためて協力を仰いだ。
その他の呼びかけとして、
・休憩中など、会話が発生する場面での危機意識を持つ
・会食についても、引き続き人数や時間などに各自制限を設ける
・外出した後に何らかの症状が出た場合、ためらわず相談する
・花粉症の季節だが、県としては咳や鼻水などの軽い症状でも検査する
・県外というより県内の感染が増えており、身近な問題と理解する
など、より具体的な内容を告知し、感染拡大防止に必要な理解と協力を求めた。
新潟県新型コロナワクチン医療健康相談センター設置
4月2日より、県の窓口として「新潟県新型コロナワクチン医療健康相談センター」が設置される。この相談センターは新型コロナワクチンの接種に関わる内容のうち、医学的知見が必要となる専門的な相談(新型コロナワクチンの安全性や副反応についてなど)に対応する窓口となる。
例えば、「ワクチン接種後三日経っても腫れているが、医療機関を受診した方がよいか」など、ワクチンに関する県民からの具体的な相談内容に応えていくものとなる。なお、ワクチンの接種場所や接種券など、住民接種に係る一般的な相談や問い合わせへの対応は引き続き市町村が担当するとのこと。
■新潟県新型コロナワクチン医療健康相談センター
受付時間:全日 8時30分から18時まで(土日・祝日含む)
電話番号:025ー385ー7762
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