新潟県妙高市がガス・上下水道の民間委託に関する基本協定書を締結、全国初の取り組み
新潟県妙高市とJFEエンジニアリング株式会社、北陸ガス株式会社、国際石油開発帝石株式会社は26日、ガス事業譲渡と上下水道事業包括的民間委託に関する基本協定書の締結式を妙高市役所で開催した。
この日は、妙高市の入村明市長、JFEエンジニアリング専務執行役員の安藤靖人エネルギー本部長、北陸ガスの敦井一友取締役社長、国際石油開発帝石常務執行役員の三浦和佳国内エネルギー事業本部長が出席した。
この基本協定は、3社が妙高市ガス事業譲渡および上下水道包括的民間委託の優先交渉権者に決定されたことを確認するもの。また、今年8月をめどに3社によりエネルギー会社を妙高市内に設立し、8月中にガス事業譲渡仮契約および上下水道包括的民間委託仮契約を締結するが、その前段階として、妙高市と3社の協力などについて定めている。ガス事業と上下水道事業を一体で最終的に1社に委託するのは全国でも初の取り組みとなる。
ガス事業は令和4年4月に新会社に譲渡し、上下水道事業は同時期に新会社に包括的民間委託を実施する予定。上下水道の委託期間は10年間。これまでも妙高市では上下水道を民間委託していたが、今後は新会社が包括的に管理し、既存の業者に再委託するとの提案が3社から出されているという。このスキームでコスト削減が期待できるとしている。なお、上下水道事業の所有権は妙高市にあり、あくまで上下水道料金は妙高市に決定権がある。
入村市長は「技術革新も進み、蛇口をひねれば水が出るという時代から水の品質まで考える時代になり、生活の根幹になるインフラをいかに効率的で安全なものかということが前提になる。この協定を機会にしてさらなる協力体制をお願いしたい」と話した。
代表企業であるJFEエンジニアリングの安藤専務執行役員は「ガス、上下水道の3事業の官民一体の取り組みとなる。新会社ではAI(人工知能)を用いるなどグループ会社の強みを活かして3事業一体の供給、保全などの体制を確立していきたい」と話した。