新潟県燕市で県内最大規模の膜ろ過浄水場工事の安全祈願祭が執り行われる
新潟県燕市で、県内最大規模の膜ろ過浄水場の工事が着工することとなり、28日午前、建設現場となる同市笈ケ島734番地で関係者などによる安全祈願祭が執り行われた。
燕市と弥彦村では、浄⽔場の⽼朽化などの共通課題を解決するため、平成31年4月から燕・弥彦総合事務組合として共同運営を開始し、既設4浄⽔場を1つに統合する浄⽔場施設再構築事業を進めてきた。その統合浄⽔場の建設工事が令和3年度から本格的に始まることから、工事作業の安全と円滑な事業推進を祈念して、事業者による安全祈願祭を⾏った。
統合浄水場は、セラミック膜による膜ろ過⽅式で、1日最大給⽔量は4万2,500立方メートル/日(計画)。給水人口は、8万2,814⼈(供用開始となる令和7年度時点の推計値)となっている。
主な特徴は、「つよい」浄水場、「やさしい」浄水場、「つなぐ」浄水場の3点という。
「つよい」浄水場では、⾼強度・⾼耐⾷性・⻑寿命なセラミック膜の採⽤と最適な前処理により、超⾼濁度2,000度に対応可能で、⽔質・⽔量などの環境変動や地震・風⽔害などの自然災害にも対応する。
「やさしい」浄⽔場では、⽔位差の活⽤などによる二酸化炭素の排出抑制や、回収率99%以上と⽔資源の無駄のない利⽤を実現する。
「つなぐ」浄⽔場では、粉末活性炭の導入により安定的においしい⽔を供給し、非常時対応可能な設備を構築するなど、将来へ持続可能な施設を整備する。
また⺠間事業者の技術⼒やノウハウ、創意工夫を最大限に引き出し、業務の効率化が期待できるDBO(Design Build Operate、民間事業者に施設の設計・建設と運営・維持管理を一括で担わせる方式)⽅式にて契約した。事業者は8社による共同企業体。共同企業体の代表企業はJFEエンジニアリング株式会社(機械設備企業)で、構成企業は株式会社日⽔コン(設計企業)、⿅島建設株式会社(⼟⽊建築企業)、メタウォーター株式会社(電気設備企業)、株式会社データベース(維持管理企業)、株式会社中越興業(⼟⽊建築企業)、株式会社氏田組(地元企業)、大河津建設株式会社(地元企業)。
契約期間は、設計建設が令和2年6月11日から令和7年3月31日(契約⾦額は税込166億8,810万円)。運転維持管理が令和7年1月10日から令和27年3月31日(契約⾦額は税込114億6,090万円)。
なお、燕市と弥彦村の広域化の取組みは、令和元年度⽔道イノベーション賞(特別賞)を受賞している。
また県内では⾒附市で⻘⽊浄⽔場でセラミック膜による膜ろ過浄⽔場を整備中(令和3年3月完成予定、1日最大給⽔量2万3,000立方メートル/日)。
一方、安全祈願祭には、鈴木力燕・弥彦事務組合管理者(燕市⻑)、小林豊彦(弥彦村⻑)、地元選出の国会議員や県議会議員、共同事業体関係者など約50名が出席した。
燕市の鈴木市長(燕・弥彦事務組合管理者)は挨拶で、「燕市と弥彦村ではもともと地理的、経済的にも結びつきが強く、様々な取り組みをともに進めており、かねててより消防、救急、ゴミ処理施設の運営などは燕・弥彦共同事業組合で共同処理を実施している。このようなかで燕市、弥彦村においては、浄水場の老朽化など共通した課題を抱えていたため、平成28年より研究を開始し水道事業統合協議会の設立、基本協定書の締結などを経て、平成31年4月より互いに手を取り合い、燕・弥彦共同事務組合として、水道事業の経営統合を実現した。その間、燕市弥彦村水道事業広域化基本計画を策定し、関係機関の協力をいただきながら浄水場施設の再構築事業を進めてきた」などと語っていた。