新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会で、柏崎刈羽原発の侵入検知機能の喪失などの事案について意見交換
新潟県は30日、令和2年度最後となる「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」を開催した。今回の技術委員会では、前回開催以降に発覚した、柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護設備の機能の一部喪失の事案などについての話題が上がったほか、今年度で退任する委員による今後の技術委員会への提言がなされた。
柏崎刈羽原子力発電所では2018年1月以降、侵入検知装置の故障が複数見つかっていたがすぐに復旧が行われず、また2020年3月以降も、故障した装置を補う代替措置も警備担当社員が実効性がないことを知りながら改善しなかったことが16日の原子力規制委員会において報告され、2020年9月のID不正使用の事案や、7号機の新規制基準に基づく安全対策工事が一部未完了だった事案と合わせ、安全性やセキュリティ面で大きく問題となっている。
今回の委員会でも、核物質防御に関する事項に関しては意見交換に多くの時間が割かれた。問題となっている侵入検知機能についてはテロ対策などの観点から機密性の高い案件であるが、それが理由となって管理側の緊張感やモラルが欠如したことも考えられるとの意見が提出。また、東京電力だけでなく規制委員会の裁量によっても不正が発覚するか否かが変化するという見解も出され、情報の透明性や公開範囲の線引きを明確にすべく検討すべきだ、という点で多くの委員の意見が一致した。
ID不正利用の問題に関しても、個人の問題であるのか、組織的に行われたものなのか追及していくという。
一方、今年度で退任する委員たちが今後の技術委員会の在り方や残った課題などに対してコメントを残し、鈴木元衛委員や立石雅秀委員からは、今後の技術委員会に関して、福島第一原発の検証を柏崎刈羽原発の検討にも繋げていってほしいという旨の提言が行われた。
4月5日には新潟県の花角英世知事が原子力規制庁の荻野徹長官と面会する予定であり、今回の技術委員会で出された意見も交えながら話しをするという。
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