連載① 新潟市の観光 観光施設編 「港に近い博物館 新潟市歴史博物館みなとぴあ」

新潟市歴史博物館みなとぴあと、伊東祐之館長

「港に近い博物館は全国的にも珍しいんです」。こう話すのは、新潟市歴史博物館みなとぴあの伊東祐之館長。

この言葉の通り、みなとぴあは川港である信濃川(新潟港)左岸に建ち、敷地内には、開港五港の中で唯一現存する国指定重要文化財「旧新潟税関庁舎」や、昭和2年竣工した古典的様式の第四銀行旧住吉町支店が建っている。また、対岸(右岸)を眺めると、本州日本海側で最も高い朱鷺メッセがそびえ立っているほか、佐渡汽船カーフェリーが佐渡島に向かい旋回する様子を間近で見ることができる。まさに「新潟港を感じることができるエリア」で、港町・新潟を感じながら、みなとぴあ周辺を散策したり、ランニングを楽しんだりする人々の姿も多い。

またライトアップされた、みなとぴあの建物や朱鷺メッセなど夜景を楽しむ人も多く、「インスタグラムで『みなとぴあ』」を調べると、ライトアップされたみなとぴあの写真が数多く表示されます」と伊東館長は話す。

館内に掲示されていたポスターより

佐渡汽船カーフェリーも間近に見ることができる

 

第四銀行旧住吉町支店建物

第四銀行旧住吉町支店外観

このうち第四銀行旧住吉町支店建物は、2000年から3年間かけて、住吉町から現在地に移築された。昭和初期の銀行建築に多く見られる古典的な様式で、重厚感が漂っている。「松坂桃李さん、綾瀬はるかさん主演の映画『万能鑑定士Q』ロケに使われたこともあります」(伊東館長)。

現在、建物内部を一般公開していて、希望すれば、研修を受けたボランティアスタッフの案内付きで見学することもできる。また、2階の会議室・日本間の貸出サービスを行っていて、「会議室は、コスプレを楽しむ若い女性の利用が多いですね」(伊東館長)。日本間は、飲食をすることも可能という。

残念ながら1階は現在、空状態になっている。ただ、今年の秋には新しいレストランが入る計画があるとか。

第四銀行旧住吉町支店建物内側

 

 

みなとぴあ建物、旧新潟税関庁舎

 

旧新潟税関庁舎

前述の通り、敷地内には、みなとぴあ建物、旧新潟税関庁舎、第四銀行旧住吉町支店が建っているが、中心的な建物はやはり旧新潟税関庁舎だろう。このため、佐渡汽船カーフェリーから、旧新潟税関庁舎を眺めることができるよう3つの建物が配置されている。また、みなとぴあ建物と第四銀行旧住吉町支店の入口も、(道路側ではなく)旧新潟税関庁舎側にあり、入館者は旧新潟税関庁舎を横目に眺めながら入館し、その後の旧新潟税関庁舎への移動もスムーズにできる。(下のマップ参照)。このため、みなとぴあ建物と第四銀行旧住吉町支店には道路に面した入口(車寄せ)がなく、天皇陛下がご来館された際も、車を下車し、建物までお歩きになったという。

敷地内マップ(みなとぴあホームページより)

みなとぴあの館内の2階(常設展示コーナー)には、港町新潟の歴史を感じ学ぶこともできる展示物が並んでいて、新潟市民でなくても思わず時間を忘れ、眺め入ってしまいそうだ。「『新潟市はどういうところかを知ってもらうのに常設展示が一番です』と言って、支店長や社長が県外からのお客様をよく連れて来られます」(伊東館長)

また、1階では、年に5回ほど企画展を開催している。次回は、4月10日から5月30日まで、江戸時代から近代までの資料を通じて新潟を知ることができる「歴史を紡いだ記録たち、大集合!」を開催する。

また、地元の子どもたちの学習の場にもなっていて、新型コロナ感染症が流行する以前は年間100回以上、子どもたちの学習が行われていたという。「新潟を多くの人に知ってもらうには、まずは地元に住む人々が新潟を知ることが何よりも大切です」と伊東館長は話していた。

「新潟は何にもないよ」「どうしてわざわざ新潟にきたの?」。こうした学習を通じて、時折耳にするこんな言葉を、将来聞かなくなる時がきて欲しいと願う。

なお、みなとぴあ建物の目前にある堀は、西堀を再現したものだという。

みなとぴあ

伊東館長

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