東北電力、上越1号(新潟県上越市、現在建設中)の運転開始時期を半年前倒し
東北電力株式会社と東北電力ネットワーク株式会社は31日、「2021年度供給計画」の概要について発表した。
供給計画は、今後10年間の電力需要の見通しや電力需給の計画などを取りまとめたもので、計画対象年度の前年度末までに、電力広域的運営推進機関を経由して経済産業大臣に届け出を行うことが電気事業法で求められている。
新潟支店の説明によると、東北電力は3月1日に、東北電力ネットワークは3月25日にそれぞれ提出した。
新年度の供給計画において新潟県関連では、2023年6月としていた上越1号(新潟県上越市、現在建設中)の運転開始時期を2022年12月に前倒しした。
上越1号はLNG火力発電(57.2万kW)で、世界最高水準の63%以上の熱効率を誇る。現在は発電所のシンボル的な存在である煙突(高さ約136メートル)の組み立てが完了し、現在、排熱回収ボイラーの据え付け、発電機やタービンなどの主要機器を収める発電所本館建屋の建築工事などを行なっている。3月20日現在の工事進捗率は29.6%。
また計画に記載はされていないが、東北電力ネットワークが上越1号に接続する上越火力線(送電線、長さ約9キロメートル)の新設工事を進めている。これまでに鉄塔の組み立てなどを進め、現在は鉄塔間に送電線を張る工事や地中にケーブルを敷設する準備工事を実施している。3月30日までの工事進捗率は約60%。
来年3月には試運転を開始する予定だ。
上越1号以外では、前回計画で計上していた佐渡島の電源開発について、向こう10年間の安定供給が可能な供給力を確保できる見通しであることから、計画を取り下げている。
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