【独自】デジタルとアナログが融合したECプラットフォームで新潟の経済を活性化、株式会社インナーユニバース 代表取締役 清水東燁(とうよう)氏

「インターネットで検索すれば欲しいものが簡単に見つかる」「店舗に足を運ばなくても自宅に届く」「ポイントが貯まりお得に買い物ができる」—— 圧倒的な便利さに加え、コロナ禍による巣ごもり需要の高まりにより、インターネット通販などのEC(エレクトロニックコマース)市場の拡大に注目が集まっている。

 

拡大し続けているEC市場の現状

経済産業省ホームページより引用

国内のBtoC-EC市場規模全体は20兆6,950億円と、前年比で1兆4,171億円の増加となり、初めて20兆円の大台に乗った。2019年から2021年における物販系分野のBtoC-EC 市場規模の年平均成長率は約15%であり、物販系分野のBtoC-EC市場規模の成長率は十分に高い値であると言える。

また、デジタル系分野のBtoC-EC市場規模は昨年の伸びに引き続き、2兆7,661億円と前年比で12.38%の拡大となった。昨年新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けマイナス成長となったサービス系分野のBtoC-EC市場規模は、4兆6,424億円と前年比1.29%の増加となった。旅行サービス、飲食サービスは不振であったが、チケット販売やフードデリバリーの市場規模拡大により、前年比でプラスとなった。

コロナ禍において堅調な動向を見せるEC市場だが、その一方で、ECを活用して販売などをおこなう事業者の立場からすると、導入や運営にかかるコストや、広告で他社との競争が激化するなど、「EC市場に参入し出店すれば物もサービスも売れる」と楽観的に考えている事業者が多いことも事実だろう。これまで通りの対面での顧客とのコミュニケーションや、事業者同士のリアルな繋がりはこれからも重要である。

そんな中、デジタルとアナログ両方の良さを取り入れたECプラットフォーム「ツクツク!!!」が、今世間で話題となっている。

「新潟の経済を変えたい」と語り、新潟県内での「ツクツク!!!」拡大に情熱を注ぐ、株式会社インナーユニバース清水東燁(とうよう)代表取締役に話を聞いた。

株式会社インナーユニバースの清水東燁(とうよう)代表取締役

 

約1万事業者が出店するデジタル上の大型ショッピングモール、新潟県内では約500社が出店

「ツクツク!!!」のWEBサイト

「ツクツク!!!」は、TSUKU TSUKU株式会社(東京都)が運営するインターネット上のショッピングモールである。

「ツクツク!!!」は、モノ(物販)・コト(体験)・ゴチソウ(グルメ)・オメカシ(美容)・チョクバイ(産地直送)の5つにカテゴライズされ、モノはもちろんの事、体験やサービス、スキルも販売することができるため、多種多様なジャンルの事業者が出店している。

「ツクツク!!!」で買い物をするユーザーにとっては、様々なジャンルの商品やサービスの購入で、「ツクツク!!!」の共通ポイントが貯まり、「ツクツク!!!」で出店する全国すべての店舗で貯めたポイントを利用できるメリットがある。

清水代表は、TSUKU TSUKUが目指す「顔が見えないインターネットサービスに人の温かさや、利他の心を取り入れ、経済をシェアする仕組みを創る」という世界観に惚れ込み20年間続けた建設業から脱サラをし、TSUKU TSUKUの代理店となりEC業界に飛び込む。新潟県を中心に、TSUKU TSUKUが描く世界観や想いを一緒に創りカタチにする事業者を約6年間募ってきた。11月時点、新潟県内では約500社が「ツクツク!!!」に出店している。

 

日本の古きよき「おすそわけ」の文化をEC上で実現する仕組み

「ツクツク!!!」の一番の特徴は、ユーザーが最初に「ツクツク!!!」を利用(お買い物・メルマガ登録・クーポン利用・来店予約・アプリ登録など)した出店者に紐付き、自店舗や他店舗でお買いをするとユーザーが獲得したポイントの40%が出店者に「ツクツク!!!」から収益還元(キャッシュバック)される仕組みがあることだ。

出店者からすると、自店舗のリピーターが増えるというだけではなく、他店舗の商品やサービスを宣伝する事でキャッシュバックが得られるという嬉しい仕組みとなっている。

 

EC市場で生まれる新たな販売のカタチ

清水代表は、「ECでの新しい販売のカタチが生まれている」と話す。これまでのように、広告を打って自店舗の商品やサービスのみを販売するだけではなく、集客したユーザーが紐づきキャッシュバックがあることにより事業者同士が互いに応援をし合い、マーケットと共に発展していくというカタチである。

「たとえば一昔前は、魚屋さんに来たお客さんに、『向かいの八百屋においしい野菜があるよ』と、八百屋さんを紹介してお客さんをシェアしていた。魚屋さんと八百屋さんとの間でも交流を図り、事業者同士が応援しあいながら商いを営み、商店街をつくっていた。時代によって売場が変わっていく中で、今はEC市場が最先端。『ツクツク!!!』は、最先端のECに、商いの根底を仕組み化したもので、それを私たちは『デジタルとアナログの融合』と呼んでいる。」(清水代表)と説明する。

 

デジタルとアナログの融合が「新潟の経済を変える」

株式会社インナーユニバースの清水東燁(とうよう)代表取締役

「国内では、まだまだコロナ禍で大変な思いをしている事業者がたくさんいる中でEC市場は伸びている。しかし実際はどうかというと、事業者の大半がECに苦手意識をもっている」と話す清水代表。

自社でホームページを作成してECサイトや情報掲載サイトに出店したものの、どう活かして良いのかがわからない事業者や、インターネットでの出店・販売に関する情報やアドバイスが少なく、サイト運営会社まかせになっている事業者などが多く、実際には販売や集客に苦戦をしているという現状を目の当たりにしているという。

事業者同士が「収益還元(キャッシュバック)」による好循環を生む「ツクツク!!!」は、地方こそ、有効に活用される可能性を秘めている。

清水代表は、「TSUKU TSUKU株式会社が描いている世界観は、新潟の経済を変えると確信している。何故ならば、すでに約500社もの事業者がその世界観に共感し「ツクツク!!!」の仕組みを活用しながら共に発展させていこうと手を組み、リアルなマルシェの開催や地域誌の作成など、実績とアイディアを共有し始めているからです」と語る。

インターネットで簡単に欲しいものが手に入るようになった現代だが、その裏ではEC市場での競争は激しく、資本力のある大手に分があるというのが実状だろう。しかし、昨今の日本においては、「人と人とのつながりへの価値」が見直され、「何を買うか」より「誰から買うか」を意識する人が増えてきているとも聞く。

現代の価値観に寄り添うECプラットフォーム「ツクツク!!!」と、新潟の経済を変えようと情熱を注ぐ清水代表の今後の動きに、ますます注目が高まる。

(文・撮影 中林憲司)

 

 

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