「真っ新な気持ちで新年を」 新潟県長岡市・法明院で除日・除夜の鐘撞き行われる
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鐘撞きに来た親子
人間に百八宿るいわれる煩悩を払うために撞くという除夜の鐘。近年では、様々な事情から、昼間に撞く寺院や、全く撞かないといった寺院も増えてきた。
新潟県長岡市にある真言宗智山派の寺院・法明院(新潟県長岡市宮本町1・大谷宥真住職)では、小さい子どもや高齢者でも気軽にお寺に来てもらおうと、2020(令和2)年から、通常の除夜の鐘に加えて、除日の鐘を設け、檀家並びに近隣住人が自由に鐘をつけるようにしている。昨年12月31日も、家族連れなど多くの参拝客が鐘を撞きに来た。
大谷宥真住職(38歳)によれば、「(鐘を撞きに来る人の数も)年を重ねるごとに増えてきた」という。鐘を撞きに来る人々の中には、2021(令和3)年に同寺が開創八百年を記念して行った御開帳がきっかけで同寺のことを知り、鐘を撞きに来る人たちもいるという。「檀家さん・地域の皆さんに感謝しています」と語った。本堂の一隅には、「長岡つるしびなの会」(冨永貴子代表)の指導によって製作された、うさぎの人形などが並べられていた。
2023(令和5)年は、同寺宗派の開祖である空海上人の、生誕1250年の節目にあたる。大谷住職も今年、記念法要などを計画しているという。
同寺除日の鐘は、13時~15時まで行われ、50人以上が鐘を撞きに来た。夜23時30分からは、除夜の鐘も行われ、こちらも多くの参拝客が鐘を撞いていた。
昨年一年の煩悩を、すっかり払いきり、真っ新な気持ちで、新しい年を迎えられる気になった。そんな除日・除夜の撞鐘だった。
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除日・除夜の鐘撞きが行われた法明院
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大谷宥真住職(右)と妻・あすみさん(左)
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本堂には2023年の干支であるうさぎの人形などが並べられていた
(文・撮影 湯本泰隆)