【コロナ関連破たん】老舗割烹「割烹岩松」を運営する株式会社岩松(新潟市北区)が破産開始決定
株式会社東京商工リサーチ新潟支店によると、株式会社岩松(新潟市北区、資本金3,000万円、斎藤貴司社長、従業員20名)は、1月5日、新潟地裁に破産を申請し、同日付で破産開始決定を受けた。破産管財人には伊津良治弁護士(伊津・五十嵐法律事務所、新潟市中央区)が選任された。負債総額は、約6億6000万円。
岩松は、1938年に魚の行商を開始したことに始まり、その後「割烹岩松」の経営に着手し、1973年7月に法人化。主力となる割烹経営は、仏事、お祝い、宴会などの団体客のほか、一般個人を対象としたランチ・ディナー営業なども行っていた。また、サーモン味噌漬けのネット販売や百貨店への飲食店出店などで、新たな顧客の取り込みも進めていた。
併営する不動産賃貸部門においては、自社で2カ所の葬儀施設を所有し、葬儀運営業者から不動産賃貸収入も得て、2018年9月期は3億円台の売上高を計上していた。
しかし、前述した施設への投資により財務内容は借入依存の高い体質にあったほか、昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛や葬儀の小口化などで、2022年9月期の売上高は約2億5,000万円に落ち込み、赤字計上で債務超過額も拡大していたもので、事業継続は困難と判断し、今回の事態に至った。
新潟県内における新型コロナウイルス関連破たんは68件目となる。