新潟県上越市の養鶏場(飼育数約10万5千羽)で鳥インフルエンザが疑われる新たな事案、殺処分の場合は人員確保も課題に
新潟県は12日、上越市の採卵鶏農場において、高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例が確認されたと発表した。これを受け県は同日夕方、「第2回新潟県鳥インフルエンザ対策本部会議」を開催し、情報共有および今後の対策を検討した。
高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例が確認された上越市の養鶏場では、約10万5千羽が飼育されている。12日朝、当該養鶏場から上越家畜保健衛生所へ、死亡羽数増加などの異常がみられると通報。同日、上越家畜保健衛生所が立ち入り検査を行い、A型インフルエンザ簡易検査を実施したところ、陽性を確認した。
現在、中央家畜保健衛生所において遺伝子検査を行っており、県は疑似患畜と判定された場合、殺処分の防疫措置を開始する。なお、遺伝子検査の結果は13日朝8時までには判明する見込み。
県内における高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例発生は、阿賀町と村上市に続き、今シーズンで3例目となった。村上市では約130万羽の鶏が現在も殺処分中で、12日の12時現在で92万7,876羽を殺処分した。約71.3%の進捗状況であり、今後、上越市の養鶏場でも殺処分を開始した場合、作業人員の確保が課題となる。
新潟県農林水産部の小幡浩之部長は、「全国的にも蔓延が進んでおり、前例を見ないような発生状況となっている。養鶏事業者には、今回の3例目の発生を受けて、さらに防疫予防措置を徹底していただくようお願いしたい。県民へは、発生を受けて健康被害があることは確認されていないので、冷静な対応をお願いしたい」と話した。
続けて、上越で殺処分が行われることとなった場合の人員確保について、「体制を上越の方に分け、さらに近隣の市町村にもお願いをしながら、体制を整えた上で殺処分の対応をしてまいりたい」(小幡部長)と話した。
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