新潟県妙高市で伝統調味料かんずりの「雪さらし」実施、小雪のため今年は場所を変更【動画あり】

新潟県妙高市(旧新井市)に古くから伝わる調味料、かんずりの製造工程の一つである「雪さらし」が大寒にあたる20日、池の平温泉アルペンブリックリゾート(新潟県妙高市)のタトラ館前駐車場で実施された。

かんずりは、唐辛子を雪にさらした後、糀・柚子・塩を混ぜて3年間熟成発酵させた添加物・保存料不使用の自然発酵食品。まろやかな辛味と糀の旨み、柚子の香りが特徴で、四季を通じて料理の味を引き立てる。

有限会社かんずりでは、まず自社や契約農家で栽培した妙高市産の「かんずり用唐辛子」を収穫・選別し、8月から天然海水塩で塩漬けにする。その後、大寒の日から3~4日ほど雪さらしをし、糀、柚子、食塩を加えて、3年間ほどかけて熟成・醗酵させていく。

例年は、製造元である有限会社かんずり本社から徒歩5分のところにある田んぼで実施されていたが、今年は小雪のため、池の平温泉アルペンブリックリゾートのタトラ館前駐車場で実施された。なお、タトラ館前駐車場で実施されるのは20日のみで、以後は降雪の状況をみながら本社近くで実施されていく予定だという。

東條昭人代表取締役社長によると、「雪さらし」を実施するには最低でも50センチの積雪が必要だという。昔は10年に1度くらいのペースで小雪の年があったが、近年は5年置きや3年置きに小雪になる年が増えてきている状況で、近年の気候変動に対し、心配を募らせていた。

この日は、女性社員4人が合計約400キログラムの唐辛子を手分けして雪上にまいていった。雪さらしの作業は2月いっぱいまで実施され、合計6トンの唐辛子が雪上にまかれる。

例年通り、大寒の日に「雪さらし」の日を迎えたことについて東條社長は、「年明け前の12月の大雪で、積雪の心配はないだろうなと思っていたが、大寒の日が近づくにつれて、まったく雪が降らないような状況で非常に心配だった。色々なところに協力をいただいて、アルペンブリックリゾートさんの快く受けてくれて、この日を迎える事ができた。非常に嬉しい」と話した。

また伝統調味料であるかんずりについて「かんずりは地元である妙高では知られていると思うが、同じ新潟県でもまだ知らない人がいると思う。これからもどんどん発信していきたい」と意気込みを語った。

つづけておすすめの食べ方について「かんずり自体は香辛料なので、これをそのまま食べるということはあまりないと思う。この時期は特に鍋になるが、年間を通すと、春なら山菜料理、夏ならスタミナ料理など、色々な料理に使えると思うので、冬場だけではなく、1年通して色々なものに使ってほしい」と語った。

 

【関連リンク】
有限会社かんずり オフィシャルサイト

例年通り、大寒の日に「雪さらし」が実施

雪さらしの様子

合計約400キログラムの唐辛子が雪上にまかれた

 

 

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