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編集後記
にいがた経済新聞社では1月から、NIIKEI文学賞の募集をスタートしました。弊社としても新たな試みです。昨年の文学賞の立ち上げの後、知人や関係者へお知らせしたところ、みな歓迎の反応でした。
柏崎市の文芸同人誌「北方文学」の編集長からは「今どき、文学賞の新設とはすごいですね」とのコメントをいただきました。出版不況と言われて久しい中、この編集長が言うように確かに珍しいのかもしれません。
今回は、ライトノベル、純文学、エッセイ、ショートショートの4部門で募集しますが、この編集長は「純文学があるのが嬉しい」とも語っていました。「北方文学」は過去には純文学の新人作家の登竜門である芥川賞の候補作が出たこともあるくらいのレベルの同人誌です。芥川賞は、今は商業雑誌や書籍から候補作が選ばれますが、昔は全国の同人誌も対象になっていたためです。
純文学といえば、お笑い芸人の又吉直樹氏が平成27年に「火花」で芥川賞を受賞したことで全国的な話題となりました。人気商売の作家稼業ですが、芥川賞、直木賞を取れば「食いっぱぐれはない」と業界で言われるのもまた事実のようです。
現在にいがた経済新聞で小説を連載している早川阿栗さんは、大手文芸誌「文學界」(文藝春秋社)の文學界新人賞の受賞者です。早川さんは上越市出身ですが、新潟県出身の大手文芸誌の新人賞を受賞した小説家は、芥川賞を受賞した故新井満氏(新潟市出身)、藤沢周氏(新潟市出身)、芥川賞候補になった野中柊氏(ひいらぎ)などがいます。早川さんは、いずれは芥川賞を受賞したいと日々創作活動に励んでいます。
また、東京で活躍する作家、西崎憲氏も今回特別審査員をしていただきます。西崎さんは作曲家でデビューし、その後、第14回日本ファンタジーノベル大賞を受賞され、小説家としての活動を開始しました。また、翻訳家でもあります。
西崎さんは、最近まで福岡県本社の出版社、書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)の文学ムック「たべるのがおそい」の編集長をされていました。「たべるのがおそい」は芥川賞候補を2回出しています。私は個人的には、西崎さんに都内で2回ほどお会いしており、今回の特別審査員も快諾していただきました。
NIIKEI文学賞は、新潟のゆかりのある物語であれば、新潟県内のならず、広く全国からも募集します。すでに実際に県外からの問い合せなども来ています。
受賞作は賞金5万円に加えて、株式会社Sight(新潟市中央区)により、映像化の可能性もあるほか、電子書籍化の可能性もあります。また、「にいがた経済新聞」サイト上での掲載の可能性もあります。
弊社は、文学賞の開催により、地域貢献や活性化に貢献したいと考えております。
「文芸誌は売れないが、書きたい人は増えている」という話はひと昔前から言われていますが、文章で表現したいものがある人や、書くことでしか表現できない人はぜひNIIKEI文学賞に応募してください。あなたの未知なる可能性を見せてください。ご応募お待ちしております。
(編集長・梅川康輝)