コジマタケヒロのアルビ日記2023 Vol.2 「成長」 堀米悠斗

堀米悠斗選手( 提供・アルビレックス新潟)

 

1月17日からスタートした高知県でのキャンプの最中、19日にそのリリースはあった。

『2023シーズン キャプテンおよび副キャプテン決定のお知らせ』

「4シーズン任命いただき、身に余る光栄です」
今季もキャプテンに就任した堀米悠斗選手に発表の翌日、20日の練習終了後、話を聞いた。

「チームが活動を開始した12日の時点で話はいただいていて……。副キャプテンを誰にお願いしようと数日悩んでいました。昨季、副キャプテンをやってくれた(早川)史哉は本当に申し分ない仕事ぶりでした。だからこそ、彼は役職がなくてもきっとそういう動きをしてくれる、そういった確信もありました。そこで、別の選手にお願いして責任感ある選手をさらに増やそうか、という考えも浮かびました。しかし、リキさん(松橋力蔵監督)がある日のミーティングで『変化は必要だけど、ふさわしい人がいるのなら、無理に変える必要はない』という話をしました。別に副キャプテンの話をしていたわけではなかったのですが、なんか僕の中でスッと落ちたんです。それで(早川)史哉に副キャプテンをお願いしました」

多くの選手が残り、さらには新戦力も加わり、日本トップリーグでの戦いをスタートしたアルビレックス新潟。選手をまとめるチームの軸からは今季のキャンプ、どう見えているのだろうか。

「みんな、オフの過ごし方がよかったんだなってすぐに分かりました。本当に動きがいい。中でも、小見(洋太)ちゃんと、三戸(舜介)ちゃんは、お互いを強く意識しあっていて練習を引っ張っていってくれている感がありますね。さらにベテランの千葉(和彦)ちゃんや舞行龍(ジェームズ)、(鈴木)孝司さんたちの仕上がりもすごくて、バチバチあたりにいけてしまう、無理のきく体の状態でキャンプインしてきています。去年は、キャンプがほぼできない状態で、悔しさみたいのが僕もありました。きっとみんなもそういう思いから、体調管理含めて、徹底してきたんだろうな、と思いますね」

堀米選手もいい形でキャンプインできたと話してくれた。キャプテンにも就任した。しかし、レギュラーが約束されているわけではない。今季、両サイドバックをこなせる新井直人選手がC大阪から加入。ポジション争いは昨季よりも激化する。

「(新井直人は)ボールを奪い切る能力が本当に高いなと間近で見てあらためて感じました。守備の安定感が特徴だと、ね。一方、僕の特徴は攻撃。この2、3年でより磨きをかけたビルドアップの部分。そのスピード、精度により磨きをかけていくことにこのキャンプで取り組んでいきたいと思っています。今季の目標ですか?やっぱりJ1でやる以上は日本代表というは意識しています。今までの経歴などは関係なく、すばらしいプレーを続ければ、絶対に呼んでもらえると思うし、その一員になることを目指したいですね。チームを勝たせられる存在になって、チームがリーグの上位争いにきっちりと絡めるように頑張って……。日本代表、狙いますよ」

試合日程も発表され、いよいよ本格的にスタートした今季を、堀米選手はこんな言葉で表した。

「成長」

「アルビレックス新潟というクラブがこれまでとは異なるスタイルを手に入れて、少しずつその精度を高めて、昨季はJ2優勝という結果を残せるまでになりました。しかし、僕たちはまだまだ発展途上。みんながそれぞれに努力して、リキさん(松橋監督)の示している『究極』に、いかに早く到達するか。目指すはそこ。だから、成長です」

松橋アルビのリーグ初戦は、2月18日。
いかにレベルアップできるか。
個々の思いをシンクロできるか。
新戦力と融合できるか。

成長の高知キャンプは、まだ始まったばかりだ。

◎アルビライター コジマタケヒロ

練習、ホーム戦を中心に日々取材を続ける、アルビレックス新潟の番記者。また、タウン情報誌の編集長を務めていた際に、新潟県内の全日本酒蔵をひとりで取材。4冊の日本酒本を出した、にいがた日本酒伝道師という一面も。(JSA認定)サケ・エキスパート

 

 

 

 

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