新春を落語で初笑い 新潟県長岡市出身落語家・入船亭扇辰さんが地元で独演会

2014(平成26)年からはじまった入船亭扇辰さんの独演会は今年で9回目を数える

長岡出身の落語家・入船亭扇辰さんによる新春恒例の独演会が21日、新潟県長岡市にあるアオーレ長岡で開かれた。主催は長岡市芸術文化振興財団(新潟県長岡市千秋3)である。独演会は、昼の部・夜の部と、2回に渡って行われ、いずれも、前座として辰ぢろさんによる「真田小僧」が披露された後、古典の「紋三郎稲荷」「雪とん」などが披露された。格調高い様子で、何人もの登場人物を巧みに演じ分けてはなす話芸に、400人を超える観客達はすっかり引き込まれていた。

古典落語の世界にハマり、「50歳を機に入船亭扇辰さんの追っかけをしている」という“一美”さん(50代)は、「大大満足です。2月9日にホテルニューオータニ長岡で行われる新春落語会にも行きます!」と感想を述べた。

扇辰さんにとっての新潟県長岡市は、母校である長岡高校を卒業するまで過ごした土地であるが、普段は帰省しても慌ただしくなってしまうため、自分の方から同級生などに連絡を取って集まるということは滅多にない。それでも、かつての同級生が経営している居酒屋や、同級生が集るような飲食店には顔を出しては、一緒の時間を過ごすこともあるという。昨年は、母校も創立150周年を迎え、卒業生として、長岡市立劇場での講演も行った。

大学進学以来、長く東京に住み、日頃は全国各地の高座を飛び回っている扇辰さんにとって、地元で開かれる独演会は、特別である。ときには、地元ならではの共通の話題で盛り上がることもある。地元での高座は、「皆さんが親身になって聴いてくれていて暖かい」と扇辰さんは、語る。特に最近は、「よく噺を聞いて、よく笑ってくれて、反応が素晴らしい。こちらも多少は腕もあがったからかもしれないけど、お客さんが聞き慣れてきたのかもしれません」とうれしそうに語った。

「こちらも、ちょっとは良いところを見せようと思うんでしょうが、そこに皆さんが乗せてくれようとしてくださる。引き続き応援していただけると、こちらも張り合いがある」と、地元の人たちに向けて述べた。

格調高い話芸で、観客をぐいぐいと噺の世界へ引き込む入船亭扇辰さん

(文・撮影 湯本泰隆)

 

 

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