【業績予想修正】亀田製菓(新潟市江南区)が特別損失の計上および繰延税金資産の取り崩し、業績予想の利益を下方修正【動画あり】
亀田製菓株式会社(新潟市江南区)は23日、2023年3月期第3四半期連結会計期期間において、特別損失の計上および繰延税金資産の取り崩しを行うことを同日開催の取締役会において決議したと発表した。これに加えて、直近の業績動向等も精査した結果、昨年5月9日に公表した2023年3月期の業績予想を修正した。
亀田製菓の連結子会社である米国の Mary’s Gone Crackers, Inc.(以下、MGC社)は、想定を超えるオーガニック原材料の価格高騰やインフレによる賃金の上昇など経営環境の急激な悪化により収益性向上に向けた取り組みに遅れが生じ、営業損失を計上する見込みとなった。
上記要因を踏まえ、今後の事業計画を保守的かつ慎重に見直し固定資産に係る回収可能性を検討した結果、想定期間内での回収が困難となったことから MGC社に係る固定資産の減損損失として、17億9,200万円計上する見込みとなった。また、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果として、貸借対照表上に計上する繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額に3億8,400万円計上する見込みとなった。
2023年3月期通期連結業績の利益を下方予想
一方、MGC社の固定資産の減損損失の計上および繰延税金資産の取り崩しに加えて、原材料、エネルギーコストの高騰による国内米菓事業の収益性低下が見込まれることから、2023年3月期通期連結業績予想を修正する。
売上高は前回発表予想より25億円増の945億円、営業利益は前回発表予想より15億円減の35億円、経常利益は前回発表予想より13億円減の46億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前回発表予想より21億円減の16億円に利益を下方修正する。
修正の理由については、売上高は国内米菓事業が底堅い需要に支えられ、海外事業および食品事業が引き続き好調に推移していることから、前回発表予想を上回る見込み。
また、MGC社の収益性が悪化し、さらには国内米菓事業において期初の想定を大幅に上回る原材料、エネルギーコストの上昇の影響を受けることから、営業利益および経常利益は前回発表予想を下回る見込み。
さらに、経常利益の悪化に加えて、MGC社の固定資産の減損損失の計上および繰延税金資産の取り崩し、さらには関係会社株式評価損の税務上の損金算入を加味した結果、親会社株主に帰属する当期純利益についても、前回発表予想を下回る見込み。
MGC社は、オーガニック原材料の急騰を受け、今年1月に値上げを実施、調達の多様化に 取り組むなど収益改善に取り組んでいる。亀田製菓からも生産や購買など主要部門に対して支援要員を派遣し、効率的な生産体制を構築するためにグループを挙げて取り組みを進めている。米国におけるグルテンフリークラッカー市場は今後も安定した成長を見込んでおり、亀田製菓グループが米国事業の拡大を目指す姿勢に変わりはないという。
期末配当予想は1株当たり40円で変わらず
なお、期末配当予想については、昨年月5月9日に公表した1株当たり40円から変更はない。年間配当金は1株当たり55円となる。