【独自】アニメDIYのスタンプラリーイベントが開催、劇中にも登場した一ノ木戸商店街(新潟県三条市)で「聖地化」の試み第1弾
新潟県三条市を舞台にしたアニメ「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」の最終回から約1か月、劇中にも登場した一ノ木戸商店街で、アニメ「聖地化」に向けた取り組みの第1弾が始動する。「アニメファンとコミュニケーションが取れるようなイベントにしたい」そう話すのは、企画の中心になっている「TREE」の中川裕稀代表取締役。同店の名物であるハンバーガーは、劇中にも登場し話題となった。
一方で、アニメとの本格的なコラボレーションは今回が初めて。「舞台になったことを光栄に思っている反面、アニメの聖地としては慣れていない地域。(コラボについて)『誰がどうしたらいいんだ?』と待っているだけの状況に陥る前に、動き出したいと思った」(中川代表)。今回のイベントで弾みをつけ、第2弾、第3弾と繋げていきたい考えだ。
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一ノ木戸商店街(新潟県三条市)でアニメ「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」とのコラボスタンプラリーイベント開催(2023年1月25日)
「聖地」となって
アニメDIYは、その丁寧な描写と表情豊かなキャラクターたちの織りなすストーリーで人気を博した。アニメの放送開始から半年も経っていないが、SNSを見ればすでに三条市を「聖地巡礼」するファンの姿も見受けられ、三条スパイス研究所に置かれているノート「DIY部活動日誌」を開けば、遠方から来た観光客の書き込みも目立つ。
TREEでもアニメ放送以降、その影響力の大きさに驚いているという。「劇中にハンバーガーを映していただいた。PRしすぎるのもどうかと思い、自分たちからは特に言及しなかったが、SNS上ではすぐに『TREEのハンバーガーだよね』と特定され、年末年始からはアニメを観た県外のファンの来客も多い。また、つい先日店のイベントで福島県会津若松へ行った時、現地で『(TREEは)アニメに出てましたよね』と声をかけられて、アニメの影響はすごいなと思った」(中川代表)。
余談になるが、三条市でのロケハンは感染症禍直前から始まっていたという。「実際にハンバーガーの物撮りもしていたが、アニメを観たら具材の重ね方まで忠実に再現していただいていて驚いた」と中川代表は笑う。
もちろん、一ノ木戸商店街の他の店舗でもアニメを実際に観た人は多い。先日、今回のイベントのための会議が開催されたが「参加店舗を募るのが急になってしまって、数店舗でも賛同してもらえれば御の字だな、と考えていたが、その場にいた24店舗すべてが手を上げてくれた」(中川代表)。商店街一丸となって臨むことになった。
一方で、アニメ聖地としてノウハウが不足しているのも現状だ。中川代表は、アニメ聖地の成功例として名高い茨城県大洗町への視察も通して、コラボの手法を検討したという。
ファンとのコミュニケーション
今回開催するのは、「D.I.Y(だいすき!.一ノ木戸商店街へ.ようこそ!)」と題したスタンプラリーイベント。開催期間は2月1日から28日まで。一ノ木戸商店街のTREEか星野園でスタンプカードを受け取り、商店街の各店で貰えるスタンプかサインを6つ集めると、数量限定アイテムが貰える。
景品は、アニメDIYで作画監督、プロップデザインとして参加した新潟県出身のアニメーター、加藤けえさんの書き下ろしの複製ミニ色紙だ。
スタンプラリー形式を選んだのは、店舗のハードルを下げるため。また、スタンプを貰うためには商品を購入するのではなく店員に話しかけるだけでいいため気軽に参加できる。そこから狙うのは、店舗とファンのコミュニケーションである。
「市外の人の方がむしろ三条の魅力を発見してくれると思うし、店側はそれを再発見できる。また、ファンから『こうした商品が欲しい』と意見を取り入れたい。実際、大洗町の商店街ではすでにそうして、ファンから教えてもらうことで商品開発を行っている」(中川代表)。
新たにアニメとのコラボに乗り出した一ノ木戸商店街にとって、今回のイベントでどれだけの人を集められるのかはまだ未知数である。しかし、まず一歩踏み込まないことには始まらない。舞台になって画面に映っただけで人を呼び込めるものではなく、地域の取り組みがあってこそ継続的に「アニメの舞台」という魅力を発信できるのだ。
だからこそ中川代表は意気込む。「まず一度、やってみないと分からない。2月は商店街にとって閑散期だが、このイベントで『去年より忙しかったね』と言えるぐらいアニメファンに来てもらえるようにしたい。そして、次の取り組みに繋がるきっかけにもなれば」。
すでに、地域の学生や市外の人からも、DIYによる地域活性の取り組みに協力したい、と声をかけられているという。今回で手応えを掴み、今後も試行錯誤を凝らして彼らも巻き込んだ第2弾や第3弾に繋がっていくことを願う。
(文・撮影 鈴木琢真)
【関連リンク】
「D.I.Y(だいすき!.一ノ木戸商店街へ.ようこそ!)」 イベントサイト
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