【決算】増収も原材料の高騰の影響などで減益に ブルボン第3クォーター
株式会社ブルボン(新潟県柏崎市)は30日、2023年3月期第3四半期決算(連結)を発表した。売上高705億9,800万円(前年同期比1.3%増)、営業利益6億6,300万円(前年同期比80.1%減)、経常利益8億4,000万円(前年同期比77.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益4億7,900万円(前年同期比80.6%減)と増収減益となった。
価格改定後の商品に需要回復の遅れが出たものの、チョコレート品目やスナック品目、米菓品目などが順調に推移し、売上高は前年同期を上回った。
利益面では、生産性の向上とコスト削減、経費の効率的な使用に継続して取り組んだことに加え、一部商品の価格改定や規格変更を実施し収益性の改善に努めたが、依然として各種調達価格などが高騰している中、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を大きく下回った。
営業品目別の概況については以下の通り。
菓子
菓子の合計売上高は、674億2,500万円(前年同期比1.6%増)となった。 菓子では、ビスケット品目を中心として、豆菓子、キャンデー、デサート、米菓、スナック、チョコレートなどの品目を展開している。
ビスケット品目は、「贅沢ルマンド」シリースに、バターとキャラメルのコク深い味わいの「贅沢ルマンドバタースコッチキャラメル」を発売した。加えて、北海道産バターをたっふぷり練り込んだラングドシャクッキー「贅沢ラングロール」を新たに発売し、原料にこだわった「贅沢」シリーズとして商品認知向上を図った。マイべネフィット商品群では、ミルク感豊かなパウダーケーキ「ミルネージュ」を発売し支持を集めた。
スナック品目は、厚めの生地で食感を楽しむ網目状のポテトチップス「じゃがバリ」をリニューアルし、商品競争力を高めた結果好評だったほか、米菓品目では、なめらかなカマンヘべールチーズクリームを丸型のおかきで挟んだ「カマンべールチーズおかき」を発売したほか、需要期に向けた大容量商品「230gチーズおかき」の提案など、「チーズおかき」シリーズの品ぞろえ強化を図った。
チョコレート品目は、「アルフォートミニチョコレート」シリーズに、ピスタチオやヘーゼルナッツを贅沢に使用した商品を発売し品ぞろえの強化を図った。また、魚沼工場の雪室設備で熟成させたカカオ豆を原料に使用した「雪室ショコラ」を発売し、付加 価値を高めた商品開発にも取り組みました。生クリームを使用した「粉雪ショコラ」シリーズや大粒トリュフチョコレートの「生チョコトリュフ」シリーズ、とろけるおいしさの「冬トリュフ」シリーズを展開し、需要期に向けたバラエティ豊かな商品展開を行った。
飲料・食品・冷菓・その他
飲料・食品・冷菓・その他の合計売上高は、31億7,300百万円(前年同期比5.6%減)となった。
飲料品目は、同社初のスープ缶飲料「牛乳でおいしくスープなシチュー缶185」を発売した。加えて、「牛乳でおいしくまろやかなココアボトル缶280」の取り扱いが拡大し、「牛乳でおいしく」シリーズが順調に推移した。
食品品目は、シート状の新感覚食材「かんたんクッキング」シリーズに、パンにのせて焼くだけでメロンパンのような味わいが楽しめる「のせて焼くメロンパンシート」を発売した。機能性食品群は、中鎖脂肪酸油(MCT)を配合した「MCTプラス」シリーズに、“ソフトクッキーミルク”を発売し、“べイクドショコラ”とともに機能性表示食品として展開した。
冷菓品目は、「ルマンドアイス」「ロアンヌアイス」にこだわりの原料を使用した商品を発売し、品ぞろえの強 化を図った。さらに、新たに展開を始めた「グミーツ」は、期間限定商品の発売による商品認知の向上を図った。
その他では、通信販売事業は、巣ごもり需要に一服感がみられたものの、季節に合わせた商品展開やECチャネ ル限定の企画展開および催事企画を実施し、リピーターの増加と販路拡大に取り組んだ。
自動販売機事業は、新規開拓によるプチモールの設置台数の増加と、既設自販機の収益性改善と効率化を図り、 多様な商品を取り扱う対面接触を避けた食品販売ツールとしての環境整備を図った。
酒類販売事業は、行動制限が緩和されたことなどから飲食店ルート向け商品や土産用受託商品の需要が高まり、全体では順調に推移した。