【破産申請】「良寛牛乳」良寛の代理人弁護士「長い間業績が悪く、資金繰りに窮していた」
株式会社東京商工リサーチ新潟支店によると、牛乳製造・販売などの株式会社良寛(新潟県出雲崎町、設立1964年月、資本金3,750万円、諸橋且委社長、従業員35人)は7日付で事業を停止し、事後処理を堀江悠真弁護士ほか2人(弁護士法人大江橋法律事務所東京事務所、東京都千代田区)に一任した。今後は破産による整理を予定している。負債総額は2021年12月期時点で4億7,147万円。
1952年に5人の酪農家有志により任意組合として発足、1964年4月に農事組合法人出雲崎酪農組合として法人化した。牛乳の製造販売を主体に、コ ーヒー・果汁・乳酸菌飲料やヨーグルト・プリン等の製造・販売も手掛け、生協や食品スーパーのほか、学校給食や事業所向けも取り扱い、1994年12月期は売上高18億7,407万円、当期利益5,807万円を計上していた。
2017年4月には組織変更を行い、現商号に変更、各種商談会等にも参加し、新たな販路の開拓なども行っていた。しかし、牛乳の需要低下や同業他社との競争激化などで、 売上高は減少傾向を余儀なくされ、損益の悪化も顕著となっていた。
また、昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴う学校給食の中止などで需要は更に落ち込み、 2021年12月期の売上高は9億9,165万円に落ち込んでいた。また、8,580万円の赤字を計上し、債務超過額も1億1,576万円に拡大していたもので、資金繰りも限界に達し、今回の事態に至った。新潟県内における新型コロナウイルス関連破たんは75件目となる。
良寛の代理人弁護士は「負債総額は現在精査中。長い間業績が悪く、資金繰りに窮して今回の事業停止に至った」と話した。
一方、出雲崎町内で良寛牛乳などを販売する店舗では、牛乳・コーヒー牛乳・アイスなどの関連商品がすべて売り切れとなっており、店舗の店員は「商品の入荷は未定」と語っていた。