【第3四半期決算】ヨネックス(東京都)が増収減益、売上利益ともに過去最高益

ヨネックス株式会社新潟工場

ヨネックス株式会社(東京都)は8日、2023年3月期第3四半期決算(連結)を発表した。

売上高は796億3,200万円(前年同期比47.5%増)で、営業利益は93億1,700万円(同55.9%増)、経常利益91億5,200万円(同47.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は67億300万円(同31.9%増)と過去最高益となった。

2023年3月期第3四半期連結累計期間における同社グループの業績は、各地域で需要が活性化し、売上高、利益ともに第3四半期累計として過去最高値を計上した。海外子会社において一部を除き現地通貨ベースで増収増益となったことに加え、大幅な円安により海外業績の換算による上押し効果があった。

同社グループが注力してきた、顧客のプレー機会創出を目的とする小規模な大会やイベントの開催が需要を活性化していること、世界規模の大会も有観客で開催されていることで、世界各地で競技の盛り上がりが見られるとともに、同社製品への注目も継続的に高まり、連結売上高が増加した。

また、原材料価格の上昇や円安に伴う仕入コスト増加の売上総利益への影響はあるものの、増収による売上総利益の増加が大きく、マーケティング活動への注力による広告宣伝費をはじめとした販管費の増加を加味しても、営業利益は大幅な増益となった。

なお、同社現地法人(中国、台湾、北米、ドイツ、イギリス子会社及びインド、タイの製造子会社)は2022年1月から9月の業績を連結対象としており、2022年9月30日現在の財務諸表を使用している。

セグメントの業績は、下記の通り。

 

スポーツ用品事業

日本
国内について、バドミントン、ソフトテニスの部活動需要の回復によるラケット、シューズ、ウェア等の販売伸長に加え、テニスラケットの好調も継続し増収となった。海外代理店向けの売上については、スポーツ活動が本格的に再開したことによる需要の活性化に加え、トップ選手の国際大会での活躍による競技の盛り上がりもあり、大幅な増収となった。

利益面については、原材料価格の上昇、円安による輸入品の仕入コスト増により売上総利益率は低下したが、増収による売上総利益の増加が大きく、増益となった。

この結果、売上高は356億4,000万円(前年同四半期比30.5%増)、営業利益は20億6,900万円(前年同四半期比38.4%増)となった。

 

アジア
中国販売子会社では、第3四半期(7~9月)にも散発的なロックダウンがあったものの、対象地域以外ではスポーツ活動が活発に行われ、影響は限定的に留まった。前期から継続するバドミントン、テニスなどの競技参加者を増やす体験型イベントの取り組みや、学生需要の増加による競技のすそ野拡大がみられ、販売が伸長した。第3四半期累計では、第1四半期の増収影響が大きかったことに加え、円安により円換算の業績が押し上げられ大幅増収となった。

台湾子会社では、全国大会や地方大会の開催で需要が高まったことに加え、7月に開催された国際大会での地元選手の活躍によりバドミントン市場が盛り上がり、増収となった。利益については、特に中国販売子会社におけるマーケティング投資により、広告宣伝費などの販管費は増加したものの、増収による売上総利益の増加により、大幅な増益となった。

なお、第1四半期連結会計期間の期首から、2021年12月に株式を取得し子会社化したテニスボール製造のYONEX TECNIFIBRE CO., LTD. (タイ)の業績をアジアセグメントに計上している。

この結果、売上高は369億4,000万円(前年同四半期比66.6%増)、営業利益は73億5,500万円(前年同四半期比78.7%増)となった。

 

北米
北米販売子会社では、引き続きバドミントン用品の販売が施設やクラブ活動の再開により増加した。テニス用品については、これまでの需要の伸びが一段落したものの、前年同期比で販売伸長し、円安による換算も影響し全体でも増収となった。

利益については、増収による売上総利益の増加が、広告宣伝費、販売体制整備に伴う人件費などの販管費の増加を上回り増益となった。

この結果、売上高は38億7,400万円(前年同四半期比58.5%増)、営業利益は4億8,500万円(前年同四半期比36.5%増)となった。

 

ヨーロッパ
ドイツ、イギリス販売子会社において、施設再開や国際大会開催によりバドミントンの市場が活性化したことに加え、テニスについても堅調な需要でラケットを中心に販売が伸長し、大幅増収となった。

利益については、セールスミックスによる売上総利益率の低下に加え、国際大会の開催等による広告宣伝費の増加の影響で減益となった。

この結果、売上高は27億1,000万円(前年同四半期比65.4%増)、営業利益は2,300万円(前年同四半期比64.4%減)となった。

これらの結果、各地域セグメントを合計したスポーツ用品事業の売上高は791億6,600万円(前年同四半期比47.8%増)、営業利益は99億3,400万円(前年同四半期比64.6%増)となった。

 

スポーツ施設事業

スポーツ施設事業の中核をなすヨネックスカントリークラブでは、10月から11月にかけてはコンペの開催も増え、同社としても各種大会やイベントを企画し集客に取り組んだ。12月には積雪によりクローズ期間もあったが、累計入場者は前年を上回った。

この結果、スポーツ施設事業の売上高は4億6,600万円(前年同四半期比14.3%増)、営業利益は6,700万円(前年同四半期比7.4%減)となった。

 

業績予想の修正

またヨネックスは同日、最近の業績動向を踏まえ、業績予想の修正を行ったことを発表した。

売上高を1,060億円(前回発表予想から9.3%増)、営業利益を100億円(同8.7%増)、経常利益を98億円(同2.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益を72億円(同2.9%の増)に修正した。

同社によると、海外を中心に想定以上に需要が回復していることにより、売上高、利益ともに前回予想を上回ると見通している。

なお、営業利益は原材料価格の上昇や円安に伴うコスト増、中長期を見据えたマーケティングと人財への積極的な投資を踏まえた数値、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、第3四半期末にかけて発生した為替差損を考慮した数値としている。

 

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