新潟県が令和4年度中に処理件数の約8割にあたる行政手続をオンライン化する構想を発表
新潟県の花角英世知事は7日の定例会見の中で、処理件数が多く、且つ県単独で変更できる行政手続を優先的にオンライン申請可能にし、令和4年度中に全処理件数の内8割に当たる行政手続きをオンライン化する構想を発表した。
県はこれまで「新潟県ICT推進プラン」の中で令和4年度までに申請手続のオンライン化の検討を行うことを目標としていたが、新型コロナウイルスへの対応が迫られるなかで日本全体における、特に行政分野のデジタル化の遅れが露呈した。こうした状況から国でも「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」が示されるなどデジタル・トランスフォーメーション(DX)の流れが加速。新潟県においても従来の方針を前倒しすることとなった。
県が2020年11月から2021年3月にかけて行った調査によると、県民と事業者が県に申請などを行う手続は5,258件(処理件数290万件)存在する。この内、市町村や金融機関、警察本部が関わる手続を除き、県単独で変更可能な手続は4,473件(処理件数170万件)。さらにこの中で、処理件数が74.5%にあたる103件の手続(処理件数127万件)はすでにオンライン化されている。
この結果から県は、すでにオンライン化されている103の手続に関しては、新電子申請システムによる申請入力の簡略化など利便性の向上を図りつつ、まだオンライン化されていないが処理件数が多い50件に関しては優先的にオンライン化を行う。令和4年度中には県が単独で変更できる手続23件を改良し、全処理件数の内8割のオンライン化を目指す。
具体的には、県立学校の各種証明書に関わる事務や、年間3万件の申請があるという業務従事者届などが令和4年度中にオンライン申請可能になると想定される。
また、処理件数の少ない手続きに関しては令和7年までに、紙によるターンアラウンド方式を採用する手続に関しても今後検討を進めていき、全処理件数の9割までデジタルでの申請を可能にしていきたいという。
花角知事は7日の定例会見にて、県内企業がデジタル人材の確保に苦慮していることや投資への不安感を感じていることから、デジタル・トランスフォーメーション(DX)に乗り出せない現状にあることに危機感を抱いていると話し、行政の活動が経済界へも波及していくことが期待される。