【第3四半期決算】雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)が減収減益、通期業績予想を下方修正

株式会社雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)

株式会社雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)は9日、2023年3月期第3四半期決算(連結)を発表した。

収益は324億5,500万円(対前年同期比11.0%減)、営業利益は28億9,200万円(同46.9%減)、税引前四半期利益は25億9,700万円(同49.5%減)、四半期利益は17億3,300万円(同48.8%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は17億3,200万円(同48.9%減)、四半期包括利益合計額は17億3,300万円(同48.8%減)となった。

原油価格の高騰などを背景に、食品や日用品の値上げが相次ぎ、消費者の家計防衛意識はより一層高まっている。また、雪国まいたけグループにおいても、ユーティリティ単価の高騰や原材料値上げの影響などによる各種コストの増加が当期利益を圧迫している。

このような環境の中、同社は中期経営計画に基づき、これまで長年培ってきた同社の生産技術・ノウハウ、販売力を活かし、プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤の確立を図っている。これに加え、まいたけを中心としたきのこが持つ機能性の開発と訴求により、安全・安心な製品を提供することを通じて消費者の健康に寄与し、健やかな社会の実現に貢献すべく事業展開を図ってきたという。

当第3四半期連結累計期間の収益は、324億5,500万円(前年同期比11.0%減)、このうち、売上収益は、230億5,700万円(同4.8%減)となった。また、売上総利益は、89億6,600万円(同22.0%減)となった。

販売費及び一般管理費は、60億3,600万円(同0.2%増)となった。営業利益は、28億9,200万円(同46.9%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、17億3,200万円(同48.9%減)となった。なお、当第3四半期連結累計期間においては、IAS第41号「農業」の適用に関する公正価値変動による利得が、収益に93億9,800万円(同23.2%減)、売上原価に87億700万円(同22.6%減)、それぞれ含まれている。

セグメント別の売り上げは以下の通り。

 

茸事業

まいたけ
まいたけの魅力をより広く消費者に知ってもらうため、関東・関西エリアを中心に「あなたの一番そばに。」シリーズとしてテレビCMを放映した。また、他食品メーカーとの共同企画による食べ方提案やSNSを活用したレシピ紹介などを実施した。販売量は、前年同期に比べほぼ同様となったが、他社増産の影響もあり、前年同期に比べ販売単価は低調に推移した。

この結果、当第3四半期連結累計期間においては、まいたけ事業の売上収益は、132億6,800万円(前年同期比4.6%減)となった。

 

エリンギ
生産品質の向上により安定した供給を維持し、簡便性の高いピロー製品の導入などこれまでのアイテム構成の見直しを図っている。販売量は前年同期を下回ったが、販売単価は前年同様にて推移した。

この結果、当第3四半期連結累計期間においては、エリンギ事業の売上収益は、23億700万円(同4.6%減)となった。

 

ぶなしめじ
青果市況と市場の動向を注視しながら、需給バランスに応じて1株製品と2株製品といった量目が異なる製品を活用した柔軟な製品投入を実施したが、他社増産の影響もあり、販売量、販売単価いずれも前年同期と比べやや低調に推移した。

この結果、当第3四半期連結累計期間においては、ぶなしめじ事業の売上収益は、44億7,000万円(同3.1%減)となった。

 

その他の茸
マッシュルームは、一時的に生産が不安定になったことにより市場の旺盛な需要にお応えすることができなかったため、前年同期に比べ販売は低調に推移した。その他、はたけしめじや本しめじについては、販売は堅調に推移した。

この結果、当第3四半期連結累計期間においては、その他の茸事業の売上収益は、27億3,400万円(同7.5%減)となった。

 

その他

その他の売上収益は、主に健康食品の販売及び瑞穂農林株式会社が取り扱う培地活性剤によるもの。当第3四半期連結累計期間においては、健康食品は前年同期に比べ堅調に推移したが、培地活性剤の製造および販売量が減少した。

この結果、その他の売上収益は、2億7,600万円(同16.7%減)となった。

 

通期業績予想の修正

また雪国まいたけは、9日開催の取締役会において、最近の業績の動向等を踏まえ、2022年5月12日に公表した2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の通期業績予想を修正した。

売上高は前回発表予想より54億1,500万円減の426億6,100万円、営業利益は前回発表予想より27億4,200万円減の21億5,100万円、税引前利益は前回発表予想より27億3,600万円減の17億5,400万円、当期純利益は前回発表予想より17億8,400万円減の11億6,700万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前回発表予想より17億8,500万円減の11億6,600万円、基本的1株当たり当期利益は前回発表予想より44.77円減の29.26円とした。

2023年3月期連結累計期間においては、円安やウクライナ情勢などの影響に伴うユーティリティ費の高騰や原材料価格の値上げにより、製造原価が増加して当期利益が圧迫された。また、物価上昇により消費者需要が量目製品へシフトしたことに加え、他社の増産によって市場供給量が増加したことにより、販売単価が低調に推移した。テレビCMによる需要喚起や新商品「雪国まいたけ極 白」を発売するも、外部環境の影響は顕著であり、売上収益の減少に伴い各段階利益も前回発表予想を下回る見通しとなった。

 

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