帝国データバンク新潟支店が2021年3月と2020年度における県内企業の倒産の集計結果を発表
帝国データバンク新潟支店は6日、「新潟県企業倒産集計 2021年3月報」と、2020年度(2020年4月から2021年3月)新潟県内における倒産企業の集計結果を発表した。集計によると、2020年度の倒産件数(負債額1,000万円以上)は前年度から16件減少し63件となった一方、大型倒産の発生により負債総額は前年度から大幅に増加し、706億8,100万円(前年度140億1,700万円、404.3%)となった。
3月の県内企業の倒産は5件で前年同月より減少
「新潟県企業倒産集計 2021年3月報」によると、3月の県内企業の倒産件数は5件で、前年同月から半減。負債総額も前年同月比△70.4%減の4億8,300万円となった。
主な倒産としては、呉服店の株式会社丸富美(新潟県十日町市、負債約3億円)や、飲食店の有限会社渡部商産(新潟市西区、負債約5,800万円)など。業種としては小売業が4件、サービス業が1件。5件全てが「営業不振」を倒産要因に挙げる。また、業歴30年以上の老舗企業の倒産は3件となった。
2020年度は大型倒産が3件発生
2020年度の倒産件数は63件。負債総額は706億8,100万円。2020年度は、株式会社ダイヤメット(負債額577億9,000万円)、株式会社ピーエムテクノ(同26億700万円)、北日本物産株式会社(同15億5,100万円)と、負債額10億円以上の大型倒産が3件発生し、1件あたりの負債額は約11億2,192万円と前年度と比較し9億4,449万円増加する結果となった。
業種別に見た場合、製造業が最も多く16件。次いで小売業が14件、サービス業が13件、卸売業が12件と続き、新型コロナウイルスによる消費活動の停滞の影響が伺える。以下、建設業が6件、不動産業とその他業種が1件づつ。倒産の主な原因としては「販売不振」が55件と9割を占める。
新型コロナウイルスの影響により企業の経営環境は悪化したが、各種補助金や融資制度が奏功し、県内倒産は2年ぶりに60件台に留まった。一方で、業績が低迷する中で借入金の返済猶予などによって支えられている企業は業績回復への取り組みが課題となっており、「(県内企業は)今後法的整理、休廃業・解散を問わず事業継続を断念するケースは十分に想定され、2021年度の県内倒産は増加のリスクを内包しながら推移が続く」とTDB新潟支店は分析している。
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