冬の新潟で夏の風物詩・花火を楽しむ
新潟県内各地で雪上花火が打ちあがる
日本で花火といえば、夏の風物詩として語られることが多い。おそらく慰霊などに由来するからであろう。じっさい、東京の隅田川花火大会は、享保の飢饉の死者を弔うために始まっているし、長岡花火大会も長岡空襲で亡くなられた方々への慰霊から始まったそうだ。だが、海外では違うらしい。ヨーロッパであれば新年のお祝いに打ち上げられるし、中国では旧正月に打ち上げられる。実は冬の新潟でも花火は打ち上げられている。
2010年1月1日午前0時。新潟開港150周年を迎えた新潟市中央区の信濃川では記念の花火が打ち上げられた。寒い中での花火鑑賞だったが、空気の澄んだ冬空と、打ち上げ後の煙が風ですぐに流されていくことから、人々は綺麗な花火を鑑賞できたようだ。
これ以外にも今年の冬、県内各地で雪上花火が楽しめる。例えば2月15日から17日に開催される「十日町雪まつり」でフィナーレを飾る色鮮やかな雪上花火は圧巻という。
3月9日に長岡市で行われる「古志の火まつり」は、高さ25メートル級の日本一のさいの神に新成人が点火を行い、その年の無病息災・五穀豊穣及び震災からの復興を祈願する祭り。点火後は、50メートルにも達する火柱と、それを彩る雪中花火が幻想的な世界を映し出す。また同じ長岡市で2月23日に「えちごかわぐち雪洞火ぼたる祭」が行われる。その中で、長岡花火財団とのコラボによるミュージックスターマインが打ちあがり、冬の澄んだ夜空を彩る。
1月19日に妙高市で開催される「ダイナマイトカーニバル in SUGINOSAWA」でも、賽の神に家内安全、商売繁盛を祈願して正月の飾りなどを焼くほか、100発前後の花火が打ち上げられる。
都合がつかず、会場に行けない人は、新潟の花火の“三大聖地”(長岡、小千谷・片貝、柏崎)に足を運んでみては? 特に、大玉開発競争を繰り広げてきた長岡と小千谷・片貝には、花火にまつわる施設が少なからずあるようだ(下の写真参照)。なお余談だが、長岡と小千谷は、錦鯉、闘牛、精密なモノづくり企業の集積でもライバル関係に見える。