【決算】スノーピーク(新潟県三条市)は増収減益 特別損失7億7,500万円計上(動画あり)

株式会社スノーピーク(新潟県三条市)は13日、2022年12月期(2022年1月1日~2022年12月31日)決算(連結)を発表した。

売上高307億7,300万円(前年同期比19.7%増)、営業利益36億7,400万円(前年同期比3.8%減)、経常利益36億600万円(前年同期比10.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益19億4,600万円(前年同期比28.6%減)となった。(100万円未満切り捨て)

スノーピークグループが属するアウトドア業界については、2020年・2021年のコロナ下で密を避けたレジャーとして人気が高まり、2022年においても、引続き国内・海外ともに高い人気を継続した状況にある。スノーピークは、家族連れでのキャンプを中心に、アウトドアを楽しむ人が増加していると考えているという。

このような環境下において、スノーピークグループは「人間性の回復と自然指向のライフバリュー」を全世界の多くの人々に提供するため、国内・海外市場共に、新規顧客創造や既存ユーザーのロイヤルカスタマー化に、引き続き注力してきた。

国内市場に関しては、新規出店・増設や、SPA新設など、新規顧客の開拓に注力するとともに、体験型消費(キャンプフィールド・イベントなど)の強化に取り組み、カスタマーエンゲージメントを高める取り組みを継続してきた。

海外市場に関しては、全拠点でブランド認知の拡大を推進するべく、チャネルの強化、体験価値の強化に注力した。

スノーピークグループの営業概況は、引き続きキャンプ需要が高い水準で推移した結果、同社製品への需要拡大が見られたことにより、2022年前半は、好調に推移した。しかし、2022年の夏は、3年ぶりの行動制限のない夏休みとなったことから、帰省や旅行などのレジャーの選択肢が増えたことや、気象庁統計開始以来2番目に暑い夏だったことから、スノーピークは夏場のキャンプ需要が、昨年対比で落ち込んでいたと認識している。その結果、卸売り先での他社ブランドを中心とした在庫の滞留が影響して、同社製品においても小売店への商品納入(セルイン)が、進まなくなった。

加えて、2022年10月からの急激な円安進行の結果、売上原価は増加している。また、今後の成長の為の人財投資などにより販売費および一般管理費が増加したこと、更に、既存店舗および海外現地法人の収益性を見直した結果、減損損失を計上したことにより、当連結会計年度における業績は、増収減益となった。

 

国内事業

国内での事業においては、オミクロン株感染拡大が落ち着いたのと並行して、直営店への来店客数も増加をしており、スノーピークは、引き続きキャンプ需要の高さを確認しているという。また、同社のポイント会員数についても、店舗拡大に伴い、エントリー層を中心に順調に増加している。

しかしながら、2022年夏場以降、キャンプ市場を取り巻く環境は変化しており、スノーピークグループとしては、引き続き、「野遊び」を通じた人間性の回復を訴求していき、新規キャンパー創出とロイヤルカスタマー化の実現を目指していきたいと考えている。

なお、子会社の株式会社スノーピークビジネスソリューションズ(愛知県)においては、スノーピークグループ全体のDX推進サポート、およびキャンピングオフィスや研修事業の強化を図ったことで売上を好調に伸ばしている。

 

海外事業

海外での事業については、ウィズコロナ下での消費活動が再開しており、全地域にて、前年を上回る売上実績となった。

韓国については、アウトドア文化が社会に根付いていること、および同社ブランド認知が進んでいることから、売上は好調に推移した。

中国については、韓国から越境ECという形態で進めており、前年を上回る実績となった。また、2022年10月に、現地企業との合弁会社「雪諾必克自然(北京)文化発展有限公司」を設立しており、スノーピークは今後より積極的に展開していきたいと考えているという。

台湾については、キャンプ・登山文化が社会で認識されていることから、売上げは好調に推移した。また、台湾における長期視点でのブランドの可視化および事業展開の加速により、更なる売上拡大を図っていくことを目的に、台湾における各種事業を行う子会社「台湾雪諾必克企業股份有限公司」を2023年1月に設立する旨、2022年12月に公表した。

米国については、ウィズコロナでの消費活動再開に伴い、売上は堅調に推移した。また、2022年10月に、従来あったマンハッタン地区SoHoエリアから、ニューヨーク市ブルックリン地区に直営店「Snow Peak Brooklyn」を移転し、開業した。従来の店舗より広くなったことで、テントやタープなども展示することができ、より、スノーピークの世界観を顧客にアピールすることができると考えているという。

英国については、米国同様、ウィズコロナでの消費活動再開に伴い、売上は堅調に推移した。英国での卸売事業拡大に加えて、EU圏への事業拡大を考えているという。

 

減損損失の計上

2022年12月期(2022年1月1日~2022年12月31日)において、特別損失(減損損失)を計上したと発表した。

スノーピークにおける国内既存店舗および英国現地法人の固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、将来の回収可能性を慎重に検討した結果、2022年12月期に、減損損失を7億7,500万円計上した。

減損損失の内訳は、国内既存店舗に関する減損損失が6億4,300万円。英国現地法人に関する減損損失が1億3,200万円。

株式会社スノーピーク

 

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