新潟県が令和5年度当初予算(案)を発表、今年度の補正含め1兆4,138億円
新潟県の花角英世知事は15日、令和5年度当初予算(案)を発表した。令和5年度一般会計の予算は、令和5年度当初予算と令和4年度2月冒頭補正予算を「14ヶ月」予算として一体編成し、1兆4,138億円。昨夏以降の大雨災害や鳥インフルエンザの発生、原油価格・物価高騰の影響を受ける事業者・生活者への支援、新型コロナウイルス感染症への対策などを踏まえたものとなっている。
加えて、新潟県の中長期的な発展に向け、「脱炭素社会への転換」、「デジタル改革の実行」、「分散型社会への対応」などの取り組みを深化させるとともに、少子化が急速に進展する中、今回の予算編成の大きな特徴の1つでもある「結婚・子育て支援」の強化が盛り込まれた予算編成となっている。
予算編成にあたっては、国と歩調を合わせ、令和5年度当初予算と令和4年度2月冒頭補正予算(一部12月補正予算を含む)を一体編成することにより、有利な財源を活用しながら切れ目のない予算編成を実施するとし、中長期的な課題を踏まえながら「住んでよし、訪れてよしの新潟県」の実現の推進、行財政改革行動計画の取組みの推進を予算編成の柱とした。
歳入に関しては、県税収入が2,811億円で、令和4年度から84億円増(3.1%増)となった。一方で、普通交付税と臨時財政対策債の合計は2,584億円で令和4年度から59億円減(2.2%減)となった。
また、財源対策的基金(交付税減少対応分)繰入金は99億円で令和4年度から27億円増(37.5%増)となった。
「子育てに優しい社会」の実現に向けた結婚・子育て支援強化の取り組み
令和5年度は、「子育てに優しい新潟」の実現に向け、「経済的支援」「結婚支援」「子育て環境整備」を3本の柱として、それぞれ取り組みを強化していく。
「経済的支援」では、新たに結婚時の支援に加え、出生時に、その後の子育ての節目節目の負担軽減につながる支援を行うことを検討し、こうした新潟県独自の少子化対策を実施するための財源を確保するため、電気事業会計の地域振興積立金からの一般会計への繰り出し金を活用して基金を設立。創設される基金は、「子育て応援定期預金」(仮称)など、子育て世帯へ経済的な支援策を実施する際などに活用される。
「結婚支援」では、県と市町村で連携して若年層への結婚支援の体制強化を図るため、県とともに結婚支援に取り組む市町村に対し、結婚にともなう新生活において経済的支援の実施に係る費用の一部を支援する「結婚新生活支援事業連携推進補助金」や、結婚の希望を叶えるための出会いの場を創出する「出会いの一歩・縁結び」応援プロジェクトなど、これから結婚する人だけではなく、結婚を求める人への支援も拡充される。
「子育て環境整備」では、日常生活などの様々な場面で子育てを後押しする「子育て応援プラス」を展開していくほか、男性の育児休業取得促進事業や、妊娠・出産、子育てに関する休暇制度を創設し、利用した企業に奨励金を支給するほか、男女がともに仕事と子育てを両立できるよう、男性の家事・育児参画の促進をテーマとした団体向けの研修を実施する「少子化対策に係る企業等との協働の仕組み構築事業」などが展開される。
令和5年度当初予算(案)について花角知事は、「新潟が特に若い世代から選ばれるような地となるように、新潟を選んで、住んで、働いてもらう、そして挑戦してもらえるような場となるために、特に子育ての環境整備に力を入れたいと思って予算編成に臨んだ。当然、これまでも力を入れてきた、防災・減災対策や企業・創業支援、医療の充実、交流人口の拡大なども重要課題についても引き続き、より効果的で効率的なものになるように工夫をしている」と話した。
重点的に盛り込まれた「結婚・子育て支援」について花角知事は、「児童手当の拡充など、様々な子育て支援は力を入れて議論が進んでいる。もうすでに全国的に子育て支援の環境整備が進んでいると思うが、その中でもさらに新潟県として1歩進めたい」と語った。