金井度量衡株式会社(新潟市中央区)が長岡支店を移転、DXやBCPを思考した新社屋に
金井度量衡株式会社(新潟市中央区)は長岡支店を長岡市千手2丁目へ新築移転し、19日から営業を開始する。
金井度量衡は1882年に計量器を取り扱う商店として長岡市で創業。土木測量や気象機器設置のほか、近年はドローンによる3DCGスキャンや、「KANAI DRONE SCHOOL」(2014年開校)による調査・計測業務に特化したプロパイロットの育成にも力を入れている。
今回の新築移転により、長岡支店の規模は約2.6倍、延床面積は1.5倍に拡充。新潟本社へ集中していた機能を分散することで、上中越地域へのサービス対応の強化とBCP(事業継続計画)能力の向上を目指す。
人員の面でも県外ゼネコンから実務経験者を途中採用。今後は長岡支店を同社ドローン部門の拠点としていくことで、他部門に並ぶ柱へと成長させていき事業面でも多面化、リスク分散化させていく。
金井度量衡の担当者は長岡支店移転について「I-Construction(国交省が推進する、建設業におけるデジタル・トランスフォーメーション)を意識している」と話す。少子高齢化社会の中で労働力の確保が重大な課題となっている建設業界では、ICT・DXによる省力化や労働環境の改善などが求められているのだ。
また同社は、特に河川関連の測量事業により「防災」というキーワードにも深く関連しており、市民防災センターや震災アーカイブセンターなどを抱え、産官学で防災事業の展開を積極的に進める長岡市とのシナジーも期待される。
近年、「激甚化」しているとも言われる災害へ対しては、県でも「防災産業」を推進するなど取り組みが活発化してきている。また、コロナ禍によって地方化などリスク分散も盛んに話題に上がるようになってきた。金井度量衡長岡支店の移転は、これからの時代の象徴とも言えそうだ。
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