新米パパママの強い味方 昭和から続く新潟県長岡市の「パパママサークル」

パパママサークルの行われているさいわいプラザ

新潟県長岡市にあるさいわいプラザ健診ホール(新潟県長岡市幸町2)では18日、「パパママサークル」が開催され、19組38人の夫婦が参加した。

これは、新潟県長岡市の教育委員会が行っている取り組みで、市内在住の妊娠7,8か月の妊婦とそのパートナーを対象に、毎年4月から始まって、翌年3月まで月に1~2回ほど行われている。赤ちゃんの抱き方や、着替えおむつ交換、沐浴の指導などを通して、赤ちゃんの世話を疑似体験し、出産後の生活を具体的にイメージしてもらうことを目的としている。
この日は、沐浴の仕方を、実際の赤ちゃんと同じ重さの人形を使って学んでいた。慣れない赤ちゃんの抱き方や沐浴の仕方に戸惑いながらも、多くのパパママが熱心に学んでいた。

新潟県外から新潟県長岡市に移り住んできた30代の山元茉優(まゆ)さん、奏志(そうし)さんの夫婦は、「他県から移り住み、頼れるところがなくて、二人で乗り切るために今回参加した」という。妻・茉優さんは、「女性は入院中に病院から指導を受けることがあると思うが、なかなかパートナーとともに学ぶ機会がないので、今回学べてよかった」と話し、夫・奏志さんは、「思っていたよりも人形が重くて沐浴も大変だった。男性でも大変なのだから、女性はもっと大変だということがわかって良かった」と語る。

パパママサークルに初めて参加した三浦大輔さん(左)と三浦かおりさん(右)

また、30代の三浦かおりさんと大輔さん夫婦は、妻・かおりさんが夫・大輔さんを誘ったのが、今回参加したきっかけだったという。

「そもそも初めてのこと。赤ちゃんの重さなど知識だけではどうしようもないことを体験できてよかった」と大輔さんが語ると、「リアルで体験できてよかった。うちで(YouTubeなどの)動画だけ見ていても、赤ちゃんの重さも、お湯の熱さもわからない。実際に体験し、わかるようになって良かった」と頷いた。子ども・子育て課の上山(かみやま)知栄子主査(53歳)は、近年問い合わせが急増していることを指摘し、その理由を、(新型ウィルスの感染拡大によって)医療機関が産後の指導を集団で行うことが難しくなり、学ぶ場がなくなった妊婦さんの不安の気持ちからではないかと推察する。「感染に気をつけてやってきたことは意味のあること。やっていて良かった」と本音を語る。上山主査によれば、「パートナーと一緒に参加してもらうことで、身内からだとなかなか伝わりにくいような話も第三者が伝え、しっかりと理解してもらえる」という。悩みを抱える妊婦に対して、「愚痴なども含めて、本当に周りから見たら些細なことだと思えるようなことでも、話を聞いて一緒に考えることができる。一人で悩まないで、いつでも話しに来てほしい」と、上山主査は呼びかける。

熱心に指導する講師

参加者は何組かのグループに分かれて直接指導を受ける

核家族化が進み、地域とのつながりも薄らいでいる昨今、気軽に妊娠や出産について相談する相手が得難くなった。そのような中、気軽に相談したり、学んだりすることのできる機会は、妊婦やパートナーにとって貴重である。

 

(文・撮影 湯本泰隆)

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