【3セク全国初】リフレ上越山里振興(新潟県上越市)の不正受給問題、調査を担当した井之上彩弁護士に聞く
温浴施設「くわどり湯ったり村」やレストラン「ヨーデル金谷」を運営するリフレ上越山里振興株式会社(新潟県上越市)が雇用調整助成金など約3900万円を不正受給した問題で、調査を担当した弁護士法人つばき(新潟県上越市)所属の井之上彩弁護士にこのほどインタビューした。関係者によると、第三セクターの不正受給は全国初という。
井之上弁護士は、昨年11月にリフレ上越山里振興から依頼を受け、12月から関与者からの事情聴取を開始。残っている書類やラインのやり取り、関係者の聞き取りを行った。井之上弁護士は、これまでリフレ上越山里振興とは一切関係がなく、今回第三者の立場として客観的な調査を行ったという。
井之上弁護士はまず、今回の不正受給が組織ぐるみではなく、2人が関与したことを明らかにした。一部報道では、この2人は取締役だと伝えられたが、井之上弁護士は「特定されるのでコメントできない」とした。
注目される動機については、井之上弁護士は「雇用を維持する目的である」としたが、「負債や運転資金に回した可能性もある」と話した。
不正受給の手法だが、関与者2人は、実際の勤務シフトとは異なる助成金申請用のシフト表を作成し、ハローワークに提出した。
一方、従業員が新会社を設立して2月15日から営業を再開したヨーデル金谷について、井之上弁護士は「ヨーデル金谷は資金管理に関わっていなかったので、今回の不正受給には無関係だと判断した」と話した。
井之上弁護士は、上越市の中川幹太市長や上越市の責任はないと話したが、株主である上越市の見解が待たれるところだ。
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