【独自】「ながおかペイ、イマイチ」 問題意識を市民が動画で投稿

長岡市内にあるながおかペイ取扱店を示すはた

地方自治体が「これはよいことである」と思って導入した政策も、住民側にとって必ずしも望ましいことかどうか、首長や政治家、地方自治体の独りよがりの政策になっていないかどうか、行政サービスを提供する側が日々、考えていかなければならないことである。サービスを受ける住民側も、自治体が提供するものが適切なものか、各々の立場に立って常に考え、問題があると感じた場合には自治体側に訴えていかなければならないだろう。

とはいえ、実際に住民一人ひとりが、行政サービスに対する不満を自らの意思で発信していくことは難しい。仮に発信できたとしても、それが自治体側に届くまでには、煩雑な手続きや地方議員とのつながりを必要とすることもあり、その分、時間や手間がかかるし、ハードルは高くなる。その段階で大多数の住民が、自己の考えを自治体側に訴えるということを諦めてしまう。そこで、自治体側としては「反対の声が届いていないから大丈夫だ」という判断になってしまう。だが、声が届いてこないからといって、住民側が全てを納得して受け入れているということではない。訴えたくても訴える手段を持たない人々もいるということを、常に自治体側は意識して、政策を検討していく必要があるのではないだろうか。

2022年11月に、新潟県長岡市で導入された「ながおかペイ」に対して、自らの想いを動画上にアップした市民がいる。『SAI@GarageSide』というチャンネル名で動画をあげているSAIさんである。SAIさんは元々新潟県外の出身、10年前に新潟県長岡市に移住してきた。

SAIさんは、2月19日、ながおかペイに関する自身の考えを開示した「ずんだもんと考える長岡pay」というタイトルの動画を3本、大手動画配信サービスYouTube上にアップロードし、FacebookなどのSNSで動画を拡散した。動画内では、現状ながおかペイが抱えるシステム上の弱点を取り上げるだけではなく、それらに対する改善案も提示している。

動画を投稿した目的についてSAIさんは、「公金(税金)を元に運用を行うのであれば、ちゃんとマーケティングをして、市民のためになる運用をしてほしい」という想いからだったと語る。動画を作成し、SNSにあげることで、「市民の皆さんのご意見が出てくるかなと思い投げさせてもらいました」という。その上で、「(ながおかペイは)地域密着を目的とするはずなのに、起爆導入剤もなく運用が地域のお店任せなのも違和感」があるとし、「マーケティングするなら利用する側(店と客の両方)の立場になってどこにマーケティングの費用を投入すべきかもっと考えて欲しいなと思っています」と主張した。

動画はいずれも5分以内の短い内容でコンパクトにまとめられており、男女のキャラクターの声で、対話形式で展開されている。わかりやすく親しみを感じつつも、ながおかペイが現状抱えている問題について、動画を見た人が誰でも理解できるような構成になっている。

SAIさんは記者に対し、「誰も反応しなかったらどうしようかなと思ってたので、反応があって嬉しい」と述べ、「ある程度反応があって、改善の1つの足掛かりになれば」と期待を膨らませている。

動画内ではながおかペイについて詳しく解説した上で、自身の考えを展開している

 

(文・湯本泰隆)

 

【関連動画】

「ずんだもんとかんがえる長岡pay1」

「ずんだもんとかんがえる長岡pay2」

「ずんだもんとかんがえる長岡pay3」

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