統一地方選挙を前に考える女性の政治参加 新潟県女性財団が駒澤大学政治学科の大山教授による講座「女性の政治参加とジェンダー平等社会~地方議会について考える~」を開催

駒澤大学法学部政治学科の大山礼子教授

公益財団法人新潟県女性財団は23日、新潟ユニゾンプラザ(新潟市中央区)において、駒澤大学法学部政治学科の大山礼子教授による講座「女性の政治参加とジェンダー平等社会~地方議会について考える~」を開催した。会場とオンライン参加を合わせ、約40名が参加した。

女性の政治参加をテーマとした今回の講座は、4月に全国統一地方選挙が行われるにあたり、地方議会においても女性の参画が喫緊の課題となっていることから、新潟県女性財団が企画した。講師の大山教授は、世界と比較した日本の男女格差や、地方議会における女性議員の少なさを示すとともに、女性の政治参画を拡大するべき理由、女性議員の比率を向上させるための道筋などを話した。

大山教授は、男女が社会のなかで置かれている立場の違いから、議員に考え方においても男女差が生まれ、政策が歪んでしまう問題があると説明。その中でも特に身近な行政を論じる地方議会では、この問題は深刻であると指摘した。また、議会への信頼度が先進国の中でも日本が特に低いことに触れ、信頼される議会には議員の多様性が不可欠であると説明した。

女性議員を増やしていくための施策として、地方議会から女性が活躍できるしくみの見直しを行うことや、政党が女性議員を擁立できるように育てる取り組みなどを挙げた。また、選挙制度においては、有権者が2人以上の候補者を選ぶことができる「制限連記制」の導入や、男女で議席比率を割り当てる「クオータ制」の導入などを提言した。

多様性のある議会を実現することについて、大山教授は「まずは、私たち有権者が選挙に関心を持つべきだと思う。法律を作らなくても女性議員が増えてきた国には、どういう要因があったかというと政党間の競争がある。政党を競争させるため、国民が監視していくということが必要だと思う」と話した。

新潟県女性財団の小林敬常務理事は、「政治に女性が参画していただくために候補者が出てくれることを期待している。また、有権者にも判断基準の一つとして、自分たちの代表者である議員の構成という視点でも見直すきっかけにしていただけたら」と話した。

新潟県女性財団は、今年で創立30周年を迎え、年間50回から60回のセミナーや講座の開催するほか、意見交換会や交流会などを通し、女性にとっても男性にとっても暮らしやすい社会の実現を目指して活動している。

新潟県女性センター講座「女性の政治参加とジェンダー平等社会~地方議会について考える~」新潟ユニゾンプラザ(新潟市中央区)

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