【長岡新聞】古刹・聖徳寺(寺泊荒町)で消防訓練 文化財防火デー

古刹・聖徳寺(寺泊荒町)で消防訓練

新潟県長岡市指定文化財を多数保有する真宗仏光寺派の聖徳寺(新潟県長岡市寺泊荒町)で10日9時30分、消防訓練が行われた。同訓練は当初1月26日の文化財防火デーに合わせて同日に開催予定だったが、天候の悪化で延期されていたもの。

訓練は敷地内の出火を想定して行われ、大型消防車両2台、消防隊員8人、寺院関係者は住職のほか5人、それに地域の人たちが5人参加した。初期対応、文化財の搬出、消火対応等、隊員のキビキビした行動は力強い。

同寺は文禄2(1593)年に建立された仏光寺派の古刹で檀信徒数も多い。とりわけ庭園は有名で庭石は江戸時代中期に京都から北前船で運んだという。京都の庭師が築いたもので、四季折々に彩りを与えて添えて観る人に感動を与える。

寺宝には市指定文化財の『絹本着色初君惜別之図』(絵画)、『木造阿弥陀如来立像』(彫刻)、『木造親鸞上人座像』(彫刻)、『良寛遺墨和歌一首』(書籍・典籍)などがある。

寺泊には汐見台からのロマンス街道沿いに多くの神社仏閣があり、それぞれが高台に鎮座している。長い石段の上り下りがあり、健脚が必要。同寺には、下の市道から本堂広場まで約90段の長い急な石段がある。この石段の脇には、事前にホースを設置してあり、訓練ではこれを連結した。

現在では道路が整備されているとはいえ、寺泊の神社仏閣には、大型緊急車両が近くまで行くことができないとことも少なくない。このため消防署では火災に備え、石段の脇に消防ホースを事前に這わせている。寺泊では7寺院に設置済み。

訓練の終わりに窪沢住職から、日頃の地域の安全防災のため活動している消防隊員へ感謝のお言葉があった。

文化財防災デーとは、1949年1月26日、現存する世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県)の金堂が炎上して壁画が焼損した。これが契機となり翌1950年に「文化財保護法」が制定された。1955年、当時の文化財保護委員会(現在の文化庁)と国家消防本部(現在の消防庁)が1月26日を「文化財防火デー」と定めた。全国的に文化財防火運動を展開し、国民一般の文化財愛護に関する意識の高揚を図っている。

長岡新聞 2023年2月23日付】

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓