新潟県燕市が郷土の偉人・鈴木文臺の伝記漫画を制作、私塾「長善館」の創設者
新潟県燕市の鈴木力市長は28日の定例記者会見で、市内に存在した私塾「長善館」の創設者である鈴木文臺(文台)の生涯と思想を描いた漫画の完成を発表した。市内の図書館と学校に配布し、その後夏頃に一般販売を開始する予定。
長善館は1833年に燕市粟生津に創設された私塾。1912年の閉鎖までに1,000人を超える人材を輩出し、その功績により明治政府からも称賛を受けた。また門下生は、大河津分水の建設にも活躍したことが知られている。
今回は、大河津分水100周年事業の一環として漫画の制作が決定。新潟市在住の漫画家である児玉直樹氏が作画を務めた。また編集と監修にあたっては、長善館史料館をはじめ地域の識見者や筑波大学の研究者などが参加した。事業費は545万5,000円。
完成した漫画「鈴木文台」は、109ページに渡り文臺の教育への情熱や思想について描いた作品で、B&G財団の補助金(300万円)で制作した1,500冊は市内の小中学校の各クラスと学校図書館、市立図書館へ配布する。その後増刷し、夏頃に市役所など公共施設で販売する。販売価格は700円を予定。
鈴木市長は会見の中で「私自身、勉強になった。(この漫画で)郷土の偉人と、長善館に貫かれている教えの源流を学んでいただければ」と話した。