老舗ホテルのイタリア軒(新潟市中央区)が創業150周年へ向け客室リニューアル、浴室はじめ設備を一新【動画あり】
イタリア軒(新潟市中央区)が11日、客室を改装してリニューアルオープンした。客室のアップグレードとハイレベルな食事の提供で、創業150周年へ向けブランドの向上と他ホテルとの差別化を図る。
イタリア軒は新潟市中央区古町で洋食店としてスタートし、2024年で150周年を迎える老舗ホテル。今回のリニューアルはその節目へ向けてたもの。
全客室をシリンダーキーからカードキーへ更新し、老朽化が進んでいたトイレ・浴室も一新。また、テレビを42型のものへ大型化するのに合わせて、Youtubeの利用や、キャスト(ミラーリンク)によって客室利用者が契約する配信サービスを閲覧できるようにした。さらに客室で利用できるWi-Fi環境の強化と、電源付きデスクの設置でテレワーク需要にも対応する。
「プレミアムスイート」を除く85室中、従来「スタンダード」としていた52室については、水回りやテレビ以外の内装も全面的に改装。リノベーションで部屋全体を同ホテルのテーマカラーである茶系等の落ち着きある形にまとめ、ベッドも米サータ社の、従来よりやや大型のものにするなど快適性にこだわった。部屋の形式はシングル、デラックスシングル、ダブル、ツインの4種に再編。今後は、より高品質な「モデレート」クラスの客室として運用する。
今回のリニューアルに合わせ、館内レストランも強化。朝食バイキングでは、要望の多かったパーテーションの撤去を実施。また、メニューも拡充した。和食、洋食を取り揃え、豊富なメニューだけでなく、健康志向のトレンドを取り入れた野菜料理や、目の前で調理するオムレツ、看板メニューのカレーとミートソースも目玉だ。
なお、米は三条市下田産の「轍米」、また新潟の郷土料理「のっぺ」も提供するなど、有機栽培食材や地場の料理の提供も特徴として打ち出す。
洋食店として開業し「食」へ重きを置くイタリア軒らしく、今後は館内各レストランでもイベントや企画を打っていき、「食事しながら、ゆっくり過ごすことのできるホテルというコンセプトで、オーベルジュを目指す」(植木英和支配人)。
新潟駅前ではビジネスホテルが立ち並び、全国大手の進出も進む。シティホテルも新潟市内に7つ存在している状況だ。新潟県・新潟市のビジネスと観光を成長させるのために中心都市のキャパシティ強化は課題だが、同時に競争も加速している。
イタリア軒の植木支配人は「部屋数で言うと当ホテルは85室で少なく、特色を出していく必要がある」と語る。今回の改装で客室をアップグレードし、同時に「食」を充実させてブランド価値を高め、飲食付きのプランも展開することで中から上の価格帯を狙う。
今回のリニューアルによって、150周年へ向けた準備が完了した。これから新たなスタートを切る「新潟の老舗」の今後に注目したい。
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