【長岡新聞】長岡市の磯田達伸市長が施政方針演説 選ばれるまちを目指す
新潟県長岡市議会3月定例会が2日、招集された。会期は28日までの27日間で、2023年度一般会計当初予算案など44議案が上程された。初日には磯田達伸市長の施政方針演説が行われ、「新しい視点と価値観で長岡の課題に取り組み、明るい未来を作るために大きく踏み出す」と述べた。そのうえで、「あらゆる分野で変革を促す」とともに、「新しい時代に求められる人材を育成し、『選ばれるまち長岡』の実現に向けた取り組み」を進めていくとして、5つの柱を掲げた。
5つは、「快適で安全安心に暮らせるまちづくり」「『新しい米百俵』による人材育成」「『長岡版イノベーション』による成長戦略と地域経済の活性化」「長岡を楽しく元気にする活動の推進と魅力発信」「持続可能な行財政運営プランの着実な推進」である。
選ばれるまちを目指した予算案
「選ばれるまち長岡」の実現には「誰もが快適で安全安心に暮らせることが基本」と宣言。地方分散が進み都市間競争が激しくなる中であるが、「医療体制の確保と福祉・教育のさらなる充実を図る」「災害対策や身近な生活環境の整備、地域コミュニティ力の強化」にも取り組み、「女性活躍の推進」「多様性のある地域共生社会の実現」を目指す。このため、「企業誘致をはじめ、地元企業へのU・Iターンを促進」し、「外国人材のインターシップ事業」「デジタル化・DX支援」「デジタル地域通貨『ながおかペイ』のさらなる活用」「スマート農業」「バイオ・エコノミー」「脱炭素・省エネ」などの推進により、「地域経済の好循環を生み出す」決意である。
一般会計予算案
新年度の一般会計予算案の2,175億6,510万円(企業会計を含む)は、「これまでとは異なる厳しいもの」との認識であり、「特定財源を有効に活用するとともに、財政調整基金を32億円取り崩して対応する」。これらにより、一般会計が1,299億8,700万円と、前年度より1.5パーセント、約20億円減少したが、「ワクチン接種事業費等の特殊事情を除くと前年度より3.8パーセント、約45億円の増加」となる。
7月に先行オープンするミライエ長岡を重視
予算案では大手通坂之上町地区で建設が進む「米百俵プレイス」の市有部分に当たる「ミライエ長岡」を重点施策に横断的に関わるとして特に重視する。7月22日には、新しい互尊文庫や、市内の4大学1高専や産業界の関係者が集う拠点ナデックべースなどが入る部分が先行オープンする。「新しい米百俵による人材育成、長岡版イノベーションをさらに加速させる拠点とする」と意気込む。
日本初の「インベーション地区」に
「新年度をDX元年と位置づけ、行財政の課題を洗い出し、デジタル技術を活用した効率化」を図る。ミライエ長岡のオープンに合わせて中心市街地を日本初の「イノベーション地区」としていく。
選ばれるまちとするため、「市民生活の安定と向上」と「選ばれるための成長戦略」に重点を置き、「受け継がれてきた米百俵の精神のもと、市民と事業者、団体など、オール長岡で一致団結し、長岡の明るい未来を創っていく」と決意を示していた。
【長岡新聞 2023年3月9日付】