海事産業をテーマにした新聞コンクールで新潟市の小学生が最高賞受賞、船員の生活など鮮やかに解説
北陸信越運輸局は17日、海事産業をテーマにした新聞コンクール「ジュニア・シッピング・ジャーナリスト賞」で最高賞を受賞した新潟市立紫竹山小学校の菅優月さんを表彰した。賞状を受け取った菅さんは「自分の新聞を通して、海や貿易に興味を持ってくれる人が増えたら」と語った。
ジュニア・シッピング・ジャーナリスト賞は、公益財団法人日本海事広報協会が主催する、小中高生に海運や港湾などに興味を深めてもらうことを目的とした新聞コンクール。2013年から実施されており、今回は全国から1,266点(内、小学生部門は921点)の応募があった。
紫竹山小学校では5年生の社会の授業の一環として、新潟東港の見学に参加。その際に配布された資料や体験した内容から、生徒たちがそれぞれ興味を持った事柄を調べて新聞にまとめた。
最高賞である「国土交通大臣賞」に輝いた菅さんは、「船はくらしをはこんでる」と題した新聞を作成。「みんなが知らないことも書きたかった」と話す菅さんは、貨物船の種類や貿易品目だけでなく、船員の生活やコンテナの種類なども深堀りし、自身の所感も交えながら記事に落とし込んだ。「船員さんの生活や仕事は知らない人が多いと思うし、コンテナも分かっているようで分かってないことだと思う」(菅さん)。また、それらの内容をイラストやグラフを用いて視覚的に分かりやすく工夫したという。
そして「こういう仕事を実際に見たり、資料で見たことも少なかったので、色々な仕事があるんだな、と実感した。自分の新聞を通して、海や貿易に興味を持ってくれる人が少しでも増えてもらえたら」(同)と話した。
北陸信越運輸局の平井隆志局長は「よく調べられていると同時に、我々としては『こういった部分に興味を持つのか』と知ることができた。また、心のこもった手書き文字が心にうったえかけてきた」と評した。また、新潟市内の小学校が2年連続で受賞したことになるが「やはり、学校の授業で取り上げてもらえていることや、港があるので実物をみることができる点が新潟の強みだと思う。オンラインの時代なので、本物を見ることで感じることも多く、関心に繋がるのではないか」と語る。
そして、「菅さんも記事に書いていたが、(海事産業は)日本の経済にとって重要な仕事なので、こうした機会で関心をもってもらえれば」と話した。
入賞した作品の一部は、22日から佐渡汽船ターミナル3階ミニギャラリーで展示される予定。