長岡の先人から褒めて育てる大切さを学ぶ 特定非営利法人SST交流会が、アオーレ長岡で講演会
学校や職場で、若い人との適切なコミュニケーションの取り方に悩む人が増えてきたという。なかでも難しいのは、「褒め方」と「叱り方」である。両者は若者への接し方としての要であるだけに、その方法について悩む指導者も多いと聞く。一方、この両者の効果的な方法を学べば、世代の異なる若い人とも、上手にコミュニケーションを取っていくことができるのではないだろうか。
新潟県長岡市内で、効果的な「ものの考え方」と「行動の取り方」についての学びを通して、少しでも対人関係などの悩みごとを減らそうと活動をしている特定非営利法人SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)交流会(品田秀樹代表)は18日、アオーレ長岡市民交流ホールA(新潟県長岡市)にて、褒め方を考える講演会を開催した。講師は、長岡市出身で、現在は大学教授として学生の育成に当たっている琉球大学人文社会学部の水野良也教授と立命館大学映像学部映像学科の品田隆教授の両名である。水野教授は、称賛をする際は、成果よりもプロセスを大切にし、具体的なことに対して称賛をすること、またそのときに好意や感謝の気持ちを相手に示すことを指摘した。一方、品田教授は、近年の若者の傾向から自己肯定感が低いことや失敗を過度に恐れてしまうことなどを指摘し、若者が、自己肯定感をあげるためには、まず褒めてあげて、認めてあげて、自信を持たせることが大切と指摘した。
両教授とも最後には、長岡出身の軍人・山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」という格言を引用し、若者の信頼を得るためには、まずはほめることが大切であるとした。
新潟県三条市から参加した40代女性は、「ほめることは大事というテーマだったが、品田先生のお話のなかで、“怒る前にほめる”とあったが、“すぐにでもできそうだな”と思った」と今日からでも実践していこうとする気持ちが見て取れた。また、新潟県長岡市から参加した70代男性も、「自分もいい年なので、わからないところもあったが、今の社会の動きの中で、子どもさん教えていられる人たちの苦労と熱い気持ちが感じられた。よい講演会だった」と満足した様子だった。
講演会を企画した品田秀樹代表(69歳)は、「年配の人で若者を叱れないので、参考にしたいという方が多くいらっしゃった。有料の講演会だったこともあり、参加した方は何かを得ようとした方が多く参加された。講演会は成功だった」と喜びのコメントをした。
講演会は、学校の職員など教育関係者を中心に100人ほどが参加し、中には県外からの参加の姿もあった。
(文・撮影 湯本泰隆)