【新潟県燕市】ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール、「刃を使わないおろし金」がグランプリ受賞【動画あり】

新潟県燕市物産見本市協会が主催する「ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール２０２３」の表彰式が２４日に執り行われ、株式会社トミタの「トミタ式おろし金」がグランプリの経済産業大臣賞に輝いた。

「ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール」は、燕市をはじめ、燕商工会議所、日本金属洋食器工業組合、日本金属ハウスウェア工業組合が主催するイベント。燕市で生み出される様々な製品に対し、デザインや経済、市場の専門家の視点による評価をすることで産地としての競争力の向上や持続的発展を目指している。第４６回目となる今回は、市内３４社から６４点の応募があった。

グランプリの経済産業大臣賞を受賞した「トミタ式おろし金」は刃を使わない独特な構造が特徴。受賞後に登壇したトミタの冨田雅俊代表取締役は「子供から高齢者まで安全安心、かつ簡単に使える形状だ」と解説。「卓上での使用を想定しているので、見た目の美しさにもこだわった。どのような突起の配列がよくおろせるか、美しく見えるか、を１００回以上試作し、あじろ模様の突起にたどり着いた」という。

また、同製品は刃が無いことから洗浄時にスポンジに引っかからない点もメリット。会場には実物も展示されており、「どうやって削っているんだ？」と話しながら眺める人の姿も見られた。

準グランプリの経済産業省製造産業局長賞と中小企業庁長官賞にはそれぞれ、株式会社タケダの「HANAKUBARI」と、株式会社山谷産業「TSBBQ　ライトステンレスダッチオーブン」が入賞。

「HANAKUBARI」は茎を隠すことなく飾ることのできる一輪挿しで、後述の燕市若monoデザインコンペティションから商品化された。「TSBBQ　ライトステンレスダッチオーブン」は「つる」の着脱による利便性やメンテナンスフリーなどを特徴とし、アウトドア用と家庭用を両立する。

優秀賞の関東経済産業局長賞と新潟県知事賞にはそれぞれ、株式会社ツインバードの「中身が見える冷蔵庫」と、株式会社Ibizaの「くみ木の絵本　おかえりどうぶつはうす」が入賞。

「中身が見える冷蔵庫」はその名の通り、外から食材や飲料を確認できる構造で、同社の新ブランドライン「感動シンプル」を象徴するような商品。「くみ木の絵本　おかえりどうぶつはうす」は絵本と組み木が連動した知育玩具で、子供が楽しみつつインテリアにもなるデザイン性、さらに県産間伐材を使用することで環境にも配慮した商品になっている。

このほか、審査委員特別賞に９点が入賞。入賞した製品は、次のとおり。

下村企販株式会社の「家事問屋　パニーニパン」（調理用品）
有限会社片力商事の「メタルシェラボウル」（アウトドア食器）
株式会社小林製作所の「マツエクツイザー」（ツイザー）
株式会社SUSの「Barista Bottle」（コーヒードリッパー）
株式会社シゲル工業の「おろし金　R30」（キッチンツール）
有限会社せきかわ工芸の「クラッドパン」（調理鍋）
燕商工会議所の「The Beer Tumbler Black studs」（タンブラー）
株式会社富田刃物の「山小太刀」（園芸用ナイフ）
株式会社ヨシカワの「EA　ト　CO Shibolu」（キッチンツール）

同時開催で、市内ものづくり企業と若手デザイナーのマッチングを図る「若monoデザインコンペティション燕」の大賞も発表。取っ手の無いヤカン「OBI」（滝沢友彬氏）、ワイヤを使ったインテリア「Wire Aroma Warmer」（横川勇馬氏）、災害時にかばんになる椅子「CCChair」（千田尚則氏、木山祥花氏、武田遙氏）の３品が大賞を受賞した。

燕市の鈴木力市長は「今回は６４作品ということで昨年より少ないが、素晴らしい商品が出品された。この地域の強みである洋食器やハウスウェアだけでなく、新しい挑戦をした商品が多数で、常に革新をつづけるこの地域の産業の底力と奥深さを感じ取れた」と話した。

つづけて「今回も、以前デザインコンペティションで入賞し、商品化された作品がデザインコンクールで賞を獲った。この二つの賞が、燕から様々な新商品を生み出すプラットフォームになるよう、これからもしっかりと育てていきたい」と力を込めた。

 

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