【独自】長岡にもレンタルスペース続々と  Wise spaceが長岡市内で事業開始

内装は明るく、清潔感に溢れている。リモート会議や資格試験の勉強など、様々な用途によって使い分けることができる

近年、社会情勢の変化により、在宅ワークやリモートワークといった働き方が広まり、個人事業主として新規事業に挑戦する人たちも増えている。そんな人たちを対象に、時間貸しできるレンタルスペース事業者が増えてきている。

人口が多い都市部とは異なり、これまで人口の少ない地方では、レンタルオフィスやレンタルスペース自体の需要がそこまで高くなかった。

ところが最近では、働き方の多様化や自治体の起業支援政策などが相まって、小さいながらも低コストで使用できるオフィスやサロンなどといったレンタル施設の需要が高まってきている。

レンタルスペースがあるのはこのビルの8階。長岡駅から歩いて10分もかからない

開業のための資金や時間が限られている起業家たちにとっては、時間貸しで利用できる物件の存在はありがたい。そのような需要を見込んで今年2月、新潟県長岡市内でレンタルスペース事業を始めたのがWise spaceである。貸し出しているオフィスも、長岡駅から歩いて10分もかからないビルの8階という好立地である。運営しているのは、株式会社Wisdom Holdings(新潟県三条市)の小柳卓蔵代表取締役社長である。もともとは、遊休資産の活用と、事業のスタートアップ支援の一環になればと思い始めたという。小柳代表は、小柳建設株式会社(新潟県三条市)の代表取締役でもある。

昨年11月には、東京都内にある物件3,4室をレンタルスペースとして開放し、利用者の声を聞きながら、改善しつつ、試験的に運用してきた。そして、当初予定していた地元での開業を検討した際、人口などの条件から、新潟市、もしくは長岡市で出店することにしていた。そのようななかで、最終的には駅前の再開発が進んでいる長岡市に進出することに決めたという。「駅前を開発してどんどん盛り上げようとしているなかで需要があるのでは」というのが、出店先の決め手になったようだ。

今後は、ベッドを備え付けたワンルームや、ガラス張りの広い空間を活かしたスペースなどを用意し、整体などができるレンタルサロンや、ヨガやピラティスなどができるレンタルスタジオなどの貸し出しも考えているとのことである。

将来的には、新潟県長岡市の中心市街地などを中心に、コワーキングスペースやレンタルオフィスなどといった競合他社が増えていく話も出ている。その点に関して、小柳代表は、「同じ場所で様々なスペースを提供できるようになることはむしろ良いこと」とし、「同じ場所でお客さんを取り合うのではなく、お客さんが選択できることによって、それぞれの店舗に相乗効果がある」と語った。その上で、「お客さんにとって、“選択できる”という自由度が地方には必要なのではないか」と述べた。「ビジネス利用はもちろん、社会人が資格勉強するためのスペースとして、お一人様で場所が欲しいなどの色々な使い方ができる。ビジネス的な場所をこのフロアで増やしていくことにより、長岡市に貢献したい」と小柳代表は想いを語った。

レンタルスペースやレンタルオフィスは、起業家たちだけではなく、ビジネスマンにとっても低コストで必要なインフラを提供することができる。そのため、今後も需要が拡大することが予想される。今後も、Wise spaceのようなレンタル事業を行う業者が増えれば、地域のビジネスマンや起業家たちの活動が活性化され、地方の経済発展につながることが期待される。若き代表による新しい挑戦は、地域の未来を見据えた夢のある事業だった。

「お客さんにとって、“選択できる”という自由度が地方には必要」と小柳代表

 

【グーグルマップ】


(文・撮影 湯本泰隆)

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓