【村上新聞】”伝統”と”福祉”のコラボ 誇らしく 川村庚堂漆器店×クロスウォーク
川村庚堂漆器店×クロスウォーク
村上市片町の川村庚堂漆器店と村上市南町の就労継続支援B型事業所「クロスウォーク」は18日、三面川を力強く遡上する村上の鮭を模った「イヨボヤ箸置き」を発売した。
クロスウォークは、開所からの約3年間、市内外の様々な事業から仕事を引き受け、利用者の技術習得や工賃収入増、地域企業の底支えに尽力。「障害のあるみなさんに、どこまで業務をお願いできるかがわからない」といった発注側が抱える疑問にもていねいに寄り添い、また、利用者とスタッフが一丸となった品質向上への地道な努力が結実し「一緒に仕事をしたい」と価格ではなく、品質を評されるまでになった。
心と技 キラリ
「完成品サンプルを見た時、利用者は『できるかな?』という反応も見せた」と振り返る矢口大輔代表。漆器店との連携もあり、出来上がったものは伝統工芸品そのもの。矢口代表は「村上堆朱のきらびやかさは、並んでいるだけで気分を高めてくれる、まるで木の宝石」と仕上がりに感服している。
クロスウォークでは朝日地区産のブナ材から取った素地の成形と研磨を担当。「時間が掛かってもていねいに仕上げる」と決め、品質を第一に150番の紙やすりを折り曲げて細かな部分に届くようにするなど、巧みに使いながら手磨きに集中していた女性利用者は「完成品はとても見事。やりがいがある」と顔をほころばせる。工場での作業経験を持つ男性利用者は「食器はお子さんも使うので、バリやトゲはすべて取る」と細やかな“おもてなし”の気遣いで仕事に向かい「誰かが手に取ってくれるのが楽しみ。なんだか鼻が高いです」と誇らしげだ。
作業をサポートするスタッフも「利用者さんが社会参画することが何よりうれしい。関わりあうというのは大変意義深いこと」とする。県外から事業展開のため村上を訪れ、外からの視点と様々な角度で村上の産業や伝統、人を見つめる矢口代表も「魅力的な伝統工芸。後継者課題もあるが、私たちが部分的にでも継承させていただけたなら、それはとてもありがたく、素晴らしいことではないか」と手応えを得ている。
塗りは朱、黒、朱溜の3種で価格は1980円で化粧箱が330円。川村庚堂漆器店、クロスウォーク、漆工房じえむ(村上市大町)で販売中。問い合わせは各事業所へ。
村上新聞2023年3月25日号