新潟県議会が柏崎刈羽原子力発電所における不正事案や安全確保について連合委員会を開催
新潟県議会は14日、連合委員会を開催し、柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護に係る不正事案や安全確保について参考人として出席した東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長の小早川智明氏らに対し、東京電力柏崎刈羽原発における相次ぐ不正事案(中央制御室への不正入室、核物質防護設備の機能の長期間複数か所での喪失=原子力規制委員会において重要度の評価区分を「赤」とされた、複数の未完了工事)などについて質疑を行った。
小早川氏は冒頭で、「この度は皆様に大変はご不安をおかけしたことについて、深くお詫び申し上げます」と一連の不正事案に対し陳謝した。続けて、「今回の一連の不正事案に対しては私達としても大変重く受け止めている。当社が原子力事業を存続できるか大きな危機感を持っている。組織で意識改革をしてうみを出し切り、作り直していかなければならない」との意向を示した。
自由民主党の小林一大県議は、「事案が発生すると隠蔽しようとする御社の体質は変わっていないと考えざるを得ない。また、柏崎刈羽原子力発電所について不正事案が立て続けに発生したのはなぜなのか」との質問に、小早川氏は「今回の一連の不正事案を発生させてしまったことは私としても失望の極み。当社が行ってきた原子力対策について何が起きていたのか、何が間違っていたのかなど定期的に調査をしていく」と答えた。
共産党の遠藤玲子県議は、「本来不備があれば真っ先に報告し改善措置を行うべきであり、重大な欠陥を認識しながら報告もしない、改善の手立ても取らないというのは常識外れも甚だしい」などと否定的な意見を延べ、これに対し小早川氏は「一連の事案についてしっかり受け止め、原子力規制委員会の審査に真摯に対応するなど一つ一つ信頼の回復に努めて参りたい」と回答。
また、リベラル新潟の重川隆広県議の「東電としては3年以上前から判例として代替措置を行っていたとしているが、最初の代替措置を行った日時についてお答えいただきたい」との質問に対して小早川氏は、「今回はデータを持ち合わせていないため、詳細は差し控えさせていただく」と回答し会場がざわつく場面も見られた。
このほかにも、他党議員や無所属議員からも軒並み厳しい質問が投げかけられていた。