「JBMC新潟ラウンド2023」優勝者の当摩信之介さん、杉山凜さんに全国大会の抱負と事業化への意気込みを聞く

「JBMC新潟ラウンド2023」

ビジネスプランコンテスト「JBMC（ジャパン・ビジネスモデル・コンペティション）」の新潟ラウンド「JBMC新潟ラウンド2023」が3月18日に開催され、優勝者には、自治体向けの人材開発・組織開発支援サービスを提案した新潟大学の杉山凜さん、中野愛日（まなか）さん、長谷川優希さんのグループの「Ishin」と、NFTの活用で次世代スターを支援するアイデアを提案した株式会社Quokkar代表の当摩信之介さんの「ファンの証をブロックチェーンに刻む」が選出された。２者は６月10日に開かれる全国大会に出場する。優勝者の当摩さん、杉山さんに全国大会の抱負と事業化への意気込みを聞いた。

当摩信之介さん

当摩さんは、事業案のコンセプトについて、「ファンの証をブロックチェーンに刻む”FANCHAIN”。私たちが開発しているサービスは、誰がいつからファンだったか？をブロックチェーンに記録することで次世代スターと初期ファンを繋ぐサービスです。FANCHAINによって、新しい応援の文化を創出し、世界中に熱狂と感動を届けます」と語った。

受賞の喜びについては、「初めて出場したビジネスコンテストでこのような賞をいただき、とても光栄です。これも、日頃からお世話になっている先輩方のお力添えがあったからこそだと思うので、事業でも結果を出せるように引き続き頑張ります」とコメント。

全国大会への準備については、「7分という限られた時間の中で、どうやって事業の魅力を伝えるか？どんな構成でピッチをすれば聞く人に伝わるか？など、いろいろと試行錯誤しながら準備を行いました。その結果、事業の解像度も上がり、今までは見えなかった新しい発見がいくつもあったので非常に良かったです」と述べた。

また、事業化に向けては、「引き続き仮説検証を行いながらサービスを改善していく予定です。また、スポーツチームやアーティストとの協業に力を入れ、より多くのファンに利用してもらえるように取り組んでいきます」と話した。

新潟大学の３人のメンバー

一方、杉山さんは、事業案のコンセプトについて、「自治体向けの人材開発・組織開発支援サービスで、いわゆるHRTechサービスの部類です。アントレプレナー（起業家）の公務員版ともいえるポリシーアントレプレナー（政策起業家）の存在や組織が持つポテンシャルを最大限に引き出す組織開発などに着目し、日本の自治体、延いては日本が抱える（今後抱えるであろう）課題を人材、組織という切り口から解決することを目指しています」と語った。

受賞の喜びについては、「私に関しては昨年度もJBMC新潟ラウンドに応募していたのですが、書類審査で落選という結果でした。そのため今回の受賞は自分がこの１年間で大きく成長できたことを示せたのかなと思います。中野、長谷川に関しても今回のJBMCが初めて出場するビジネスコンテストだったため、受賞したことで大きな自信になったと思います」とコメント。

全国大会への準備については、「当初から私たちの専攻分野であるアントレプレナーシップという領域で勝負していきたいという話にはなっていたのですが、自分たちだけの独自性や優位性などをどう生み出すかに難航していました。その中で「本当に『アントレプレナーシップ』が必要な人（組織）って誰（どこ）だろうね」と議論を重ねた中で見出したのが、自治体でした。自治体をターゲットにすることで他社にはない独自性や優位性を出せると見出してからは、自治体の人材・組織に関する本を読み漁ったり、自治体で働く方や自治体の内部に詳しい方にヒアリングを行ったりととにかく行動を重ねていきました」と話した。

杉山さんは、「今後は事業化に向けて、IshinのMVP（Minimum Viable Product）を開発・提供し、ユーザーのリアルな声を集めながら、サービスを改善していきたいと考えています。現時点で私たちが考えている課題や解決策は、ただの仮説でしかないので、MVPを用いて、より効果的でスピード感のある仮説検証を行っていきます。また、私たちのIshinというサービスは日本のさまざまな社会課題を解決する基盤をつくること、つまりは自治体の人材・組織のポテンシャルを最大限に引き出すことが１番のミッションなので、この信念は強く持ちながら動いていこうと思います」と話した。