新潟県燕市のデザインコンクール受賞企業が花角英世知事へ表敬訪問
新潟県燕市物産見本市協会が主催する「ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール2021」で受賞した製品を開発した企業が15日、花角英世知事を表敬訪問し、受賞製品を披露した。
「ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール」は、燕市で生み出される様々な製品に対し、デザインや経済、市場の専門家の視点による評価をすることで産地としての競争力の向上や持続的発展を目指すイベント。今回で44回を数える今回は、市内59社から計93品が出店された。
知事の元へ訪れたのは、同コンクールグランプリの経済産業大臣賞を受賞したツインバード工業株式会社の野水重明代表取締役社長を始め、準グランプリや優秀賞、審査員特別賞を受賞した9社の代表と、燕市の鈴木力市長、新潟県議会の桜井甚一議長の11人。
花角知事は製品を1つ1つ手にしながら各社の代表から解説を聞き「社会が求めているものを形にし、機能とデザインを究極まで高めている。(今年で44回目になることから)そろそろアイデアも枯れるのではと思うが、毎回泉のように発想が湧き上がり商品が生み出される燕の底力に驚かされる」と感嘆した。
グランプリを受賞したのは、ツインバード工業株式会社のワクチン運搬庫「ディープフリーザー25LWL」。同社は「全自動コーヒーメーカー」で審査委員特別賞も受賞している。野水重明代表取締役社長は表敬訪問後の取材で「私たちが20年以上かけて開発してきたディープフリーザーを直接花角知事に報告することができ、非常に光栄に思う。デザインコンクールは私たちよりも上の世代の、ものづくりの先輩たちが努力を積み重ねて続けてきたものであるということ自体が市の誇りであり、燕の一企業として私たちも人々の役にたつ商品をこれからも提供していきたい」と語った。
ディープフリーザーの開発は、野水重勝前社長が伝説的な技術者である佐々木正氏から技術指導を受けている時に、同氏からスターリング冷凍機の技術の紹介を受けたことに始まるという。冷凍機の約7割が燕市の協力工場で製造されており、中には非常に精密な部品も含まれているため「この地以外での製造は難しいと考えられる」と野水社長は話す。現在は新型コロナウイルスのワクチンの運搬で注目を浴びるが、コロナ禍後も医療コールドチェーンなど幅広い分野での活躍が期待されている。
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