雪冷熱を利用したマルソーの「雪室倉庫」が全国で初めて営業倉庫として登録
マルソー株式会社は16日、北陸信越運輸局から柿崎雪室倉庫(新潟県上越市柿崎区百木324-1他2筆)が倉庫業法の規定による営業倉庫(冷蔵倉庫)として登録された。雪を冷熱エネルギーと媒体として活用する冷蔵倉庫としては全国で初めての登録となる。
「雪室」と呼ばれる雪を利用した天然の冷蔵庫は、雪を利用して食物などを貯蔵するもので、新潟県をはじめとする豪雪地帯で古くから活用されてきた。電気冷蔵庫で保存した場合と比べて、じゃがいもなどは甘味成分(スクロースなど)が増加することが確認されている。
これまでは雪冷蔵式倉庫により他社の商品を預かり、一定期間貯蔵することを業として行うことは倉庫業法上、認められていなかったが、国土交通省における通達が改正され、機械による冷却方式と同様の冷却能力があると認められれば、営業倉庫として登録することを認められた。こうしたなか、今回マルソーが申請した柿崎雪室倉庫は施設内に約500トンの雪を貯蔵することで年間を通じて倉庫内の保管温度を10度以下に保つことが可能ということなどが確認され、全国で初めて営業倉庫として登録された。
今回の登録により、雪国にいがたで雪を利用することによる産業振興や自然エネルギーの活用促進が広がり、雪室による各種食品などの高付加価値化やブランド化が推進されることが期待される。また、従来の機械による冷却方式に比べて省エネで地球環境にも優しいことが特徴で、温室効果ガスの排出削減につながる。新潟県では、先進事例として周知し、雪冷熱エネルギーの導入拡大に向けた支援措置の拡充も国へ働きかけていく方針だ。